現実は、西部劇みたいにはいかない。[レンタルDVD鑑賞日記その714]

 本日は月額レンタルのDVDで映画鑑賞……少し消化を急ぎすぎてたきらいがあったので、届いてから寝かせてました。スペインの異才アレックス・デ・ラ・イグレシア監督がウエスタンにオマージュを捧げた娯楽作『マカロニウエスタン 800発の銃弾』(cinequanon初公開時配給)。かつてマカロニ・ウエスタンを撮影していたスペインの集落がテーマパーク開発のために買収されることになり、現地でウエスタンのショーをやっていたスタントマンが、拳銃に実弾を装填して抵抗する。
 ……オマージュを捧げてるのは確かだけど、内容的にウエスタンではない。銃撃戦はあるけど、なにせ敵は様式美に気を遣ってなんかくれないから、煙幕撃ち込むわ装甲車で突入するわ。そもそも、肝心の籠城・対決のくだりに入るまでが長い。ず~っとイグレシア監督特有の乱痴気騒ぎが繰り返されてる感じ。むろんそこで、ウエスタンへの思い入れや郷愁はしっかり詰めこまれてるんですが、マカロニ・ウエスタンそのものを望んでるとだいぶ肩透かし。
 ただ、狂騒的な語り口と乱暴なユーモアのなかに、ちょっとだけ悲哀を混ぜて味わいを増し、随所でひねりを効かせて小気味良い後味を残す、独特のムードが確立されてる。時系列的には、私が鑑賞した諸作でいちばん古い作品なんですが、既に『スガラムルディの魔女』や『グラン・ノーチェ!』に通じる愉しさがあります。
 純粋なマカロニ・ウエスタンを欲しているひとにはお薦めしない。しかし、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の作風も知ってるうえで、ならばある程度は楽しめるはず。

 ……さて、どうやら映画館は今月いっぱいで、完全な休業要請から解放されるようです。相変わらず午後9時まで、という縛りはありますが、開けてくれるだけでも有り難い。
 問題は、まずなにを観るか、です。東京で休業要請が出ているあいだも、緊急事態宣言の出ていないところでは映画館の営業が続き、多くの作品が封切られていちおうの成績を上げている。困るのは、都内の映画館の再開とともに、その辺の作品が一気にかかってしまうこと……効率よく拾っていかないとフォローできません。
 正直なところ、休業要請が解かれようと世間は未だ緊急事態宣言のさなか、あんまり大手を振ってハシゴしまくるのも良くない。何本押さえられるかなあ……。
 とまれ、ここしばらくは配信や映像ソフトでの鑑賞が中心となってましたが、来月は基本、映画館を優先します。ていうか、たぶん家でまで観てる余裕ない。

コメント

  1. […] 原題:“800 baras” / 監督&製作:アレックス・デ・ラ・イグレシア / 脚本:ホルヘ・ゲリカエチェバリア、アレックス・デ・ラ・イグレシア /  […]

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