みんな事情を抱えてる。

 フリーパスもなく大つけ麺博もなく、まして午前十時の映画祭でもない、久々にイベントがなんも絡まない映画鑑賞をしてきました……まあ、細かいことまで含めれば用事はあってのことですし、フリーパスではないけれどポイント鑑賞なんで、ほんのりとイベント感はあるんですが。

 訪れたのはTOHOシネマズ上野、鑑賞したのは帚木蓬生の大ヒット小説2度目の映画化、精神科の閉鎖病棟を舞台に、様々な事情を抱える患者と、死刑で死ねず施設をたらい回しにされる元死刑囚との交流を惨くも優しく描いたドラマ閉鎖病棟 -それぞれの朝-』(東映配給)

 原作は持ってるけど未読のまま鑑賞しました。しかし精神科医でもある原作者ゆえか、患者たちの描き方がリアルでありながら節度を保っている。劇中で事件を起こす人物を含め、みな何らかの背景がある、ということを弁え、丁寧に描写しているからこその過酷さ、優しさが巧みに同居してます。昨今はこういう閉じこめておく類の治療は少なくなっているそうですが、心に傷を負う人たちが抱く出口のない感覚、そこからの脱出に向き合う姿を、舞台を活かして描きだし、辛い現実を織り込んだ物語に優しい光明をもたらす決着を与えている。特にラストシーンがとても秀逸。いい作品でした。

 鑑賞後は、映画館から近い六代目けいすけにて昼食を摂り、そのあと遠まわりをして用事を済ませてから帰宅。