レンタルDVD鑑賞日記その634。

鉄道員(ぽっぽや) [DVD]

鉄道員(ぽっぽや) [DVD]

 本来なら今日は午前十時の映画祭10-FINALを観に行く日でした。チケットも押さえてあったのですが、ギリギリで断念しました……若干、風邪の兆候があるうえ、外は雨で寒く、安易に出かけたらこじらせそうな予感がしたのです。まだ厚手の服の用意もしておらず、どんな服装をすればいいかも判断しかねたので、大人しく家にいて身体を休めることにしました。

 しかし映画を観る気分にはなっていたので、代わりに借りたまましばらく手つかずだったDVDを鑑賞しました。作品は、浅田次郎の小説を先ごろ亡くなった降旗康男監督・木村大作撮影・高倉健主演という鉄板の布陣で映画化したドラマ、『鉄道員(ぽっぽや)』です。鉄道員ひと筋で生きてきた男に訪れた、最後のささやかな奇跡の物語。

 実はこれ、公開当時に映画館で観てます。そのときは映像の美しさと高倉健の凜とした佇まいが印象に残って、ほかの要素は付け足しのように感じていたのですが、これだけ映画を観たあとだと少し印象が違ってきた。

 基本的にシンプルな短篇を、堅実な手法で約2時間の尺に膨らませている。ぶっちゃけ、志村けんが絡むエピソードはまるっと外しても成立するんですが、あれがあることで駅のある町の歴史や、家族のいない主人公の孤独がより浮き彫りにされて、最後の幸福なファンタジーの情感が増している。

 撮影監督・木村大作らしい、自然の厳しさも克明に織り込んだ画面の美しさもあって、味わい深い映画。これに先んじる『駅 STATION』と通じるところも多いんですが、これはこれで、わざわざ高倉健を使って撮る価値はあった、と思います。