『ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への旅』 in 国立新美術館。

国立新美術館入口に掲げられたポスター。 我が家で取っている新聞に、先日、これの内覧会のプレゼントが載っていた。通常、国立新美術館は毎週火曜日に休館しているのですが、当選者は6月25日限定で鑑賞出来る、というもの。当たれば行くか、という程度の気分で申し込んだら、見事に当選葉書が届いてしまった。今月に入って、母は父の友人のお店でヘルプに入っているのですが、そちらを断り、一緒に出かけてきました。

 ……しかし、いまの私にはなかなか辛い移動だった。通常なら乃木坂駅から直通の入口があるのですが、如何せん、休館日なのでその出入口は閉まっている。結果、厭でも階段を上る羽目に……軽い運動はしたほうがいいんですけど、なにせ自宅の最寄り駅までもまあまあ距離があり、だいぶ消耗したあとだったので、会場に着いたときはほとんどヘロヘロ。館内の、通常はカフェスペースとして用いられているらしき椅子でしばし休憩して、それから展示のほうへ向かう。

 平素、どのくらい混雑しているのか、来たことがないので解りませんが、程よい人出なので動きやすいのは確か。少々空調が効きすぎているのが難ですが、まあそれは美術館ではありがちなこと。

 展示は、18世紀から19世紀のウィーンにおける美術史を、代表的な画家の作品や当時の文化を偲ばせる版画、写真、更には家具やドレスまで展示して俯瞰したもの。美術や歴史に疎くても、順路通りに辿っていくとその変遷が解る、かなり伝わりやすい展示。絵だけポンと突きつけられても、首を傾げるか解ったふりをして通り過ぎるのが関の山ですが、このかたちだと、何故こういうデザインになったのか、何故こういう画題が選ばれたのか、というのも解り易い。この200年ほどのあいだに、恐ろしいほどの写実的手法から急速に象徴的、或いは内省的な作風が増えているのが面白い。

グスタフ・クリムト作“エミーリエ・フレーゲの肖像”。 当然ながら基本的に撮影は禁止なんですが、唯一、この展覧会のキーヴィジュアルに用いられているグスタフ・クリムトの“エミーリエ・フレーゲの肖像”だけは認められていたので、しっかり撮ってきました。

 かなり見応えがある展示……だったんですが、しかしあまりに多い。こちとら来るまでに体力を8割方消耗していたため、終わりのほうはだんだん足許もふらついてきた。そうでなくても、昼食を摂っていないので、エネルギーも足りてない。最後のほうはやむなく、かなり飛ばしてきてしまいました。

 順路の終わりには売店が待ち構えている。この展覧会は図録を2種類販売していて、一般的な大判のものと、片手に乗るコンパクトなものを用意している。より詳細な内容を学びたいなら大判のほうを選ぶべきなんでしょうけれど、如何せん重い。せっかく用意してくれてるのですから、今回はコンパクト判を購入しました。

 しかし帰宅後、よくよく読んでみると、けっこう作品が抜けている。そりゃまあ、大判と同じデータを乗せたら最低でも同じ厚みに、ページの狭さを考慮すればたぶん倍くらいの厚みになってしまう可能性もある。だいぶ縮小されてますが、前述した“エミーリエ・フレーゲの肖像”やヴァルトミュラー“バラの季節”、エゴン・シーレの自画像など、代表作や印象深い作品はほぼ網羅されているので、記憶を振り返るにはちょうどいい。

 ヘロヘロで会場をあとにすると、予め調べてあった近場の蕎麦屋に赴いて遅めの昼食を摂り、家路に就く。……まあ疲れました。これから作業せねばならんのですが、起きてられるだろうか。