やっぱり映画館で観たいのよ。

 相変わらず観たい映画は山積みです。中でも、これはやはり映画館でないと、と思っていた1本を拾うべく、本日は銀座方面へ。

 訪れたのはシネスイッチ銀座――いったいいつ以来なのか、咄嗟に思い出せないほど久々の訪問です。最近、ミニシアター系よりも、シネコンでかかるくらいの規模の作品を選びがちなので、自然と足が遠のいていた模様。ちなみに帰宅後、データを調べてみたら、実に8年振りでした……。

 鑑賞したのは、先だってのアカデミー賞で監督賞はじめ3部門に輝いた作品、1971年のメキシコシティーを舞台に、ある中流家族とその家政婦の周りに起きた出来事をモノクロで描き出すROMA/ローマ』(Netflix配給)先日、観念してNetflixに入会してしまったんですが、やっぱりいい映画は映画館で観たい、というわけで、近場でいちばん足を運びやすかったシネスイッチ銀座での上映を選んだわけです。

 正直に言えば、面白い映画、面白い話、というものではない。最初1時間ほどは特に何が起きている、という印象もなく、退屈するひとも多いでしょう。ただ、映像が異様に美しく、それによって捉えられる人々の所作、表情が際立っている。視点人物である家政婦や、彼女の勤める家庭での不幸に1971年当時のメキシコの社会情勢が重なり、思わぬ事態へと繋がっていく終盤、そして感情が溢れてくるクライマックスは、完璧な構図とも相俟って圧巻です。一般受けはしないかも知れないけれど、確かに傑作……そしてやっぱり、劇場でかけたほうがいいと思うのよ。Netflixは積極的に、独占的に意欲のある作品を拾ってくれるのはいいんだけど、その価値に応じてネット配信以外の見せ方をもっとしてくれてもいいと思うの。

 と、作品は良かったんですが、しかし久々に訪れたシネスイッチ銀座、私にはしんどい劇場でした。何がしんどいって、階段が多すぎる。『ROMA/ローマ』を上映しているスクリーン1は地下にあるんですが、窓口から階段を降りないといけない。あまつさえ、降りてすぐのフロアにあるトイレは和式……足腰が快調なときならまだしも、いまの私はヘロヘロ、まして運動のためと称してず~っと自転車を漕いできたあとなので、こんなところで用を足したら惨劇になりかねない。聞けば、スクリーン1の1階席にあたる地下2階には洋式がある、というので、予告篇を諦めて駆けつけてみたら、トイレの入口にも階段があったりする……たった2段ですけど、疲れきった身にはきつかった……。

 シネスイッチ銀座は恐らく現在銀座・日比谷界隈に残っている映画館では、有楽町スバル座に続く古参のはず――スバル座の閉館が決定したので、間もなく確実に最古参になる。なので設備が古いのは承知してますが、足腰の悪い人にもーちょっと配慮した改装はして欲しい。