これこそ真のヒーロー誕生。

 昨日、午後の用事を済ませると、いったん家に帰ってから自転車に乗って上野へ……用足しをしているところのほうが映画館には近かったりするのですが、荷物を詰め替えて、ちょっとでも休憩したかったのです。<まだ五分も咲いてないのに、既に酒宴を催しているひとたちのあいだをゆっくりと走り抜けて移動。

 TOHOシネマズ日本橋が一時休館になり、再開後も午前十時の映画祭が復活しなかったりしたお陰で、今年は完全に私にとっての拠点になった感のあるTOHOシネマズ上野にて鑑賞したのは、別次元から現れた“スパイダー”たちとと、図らずもピーター・パーカーの遺志を受け継ぐ羽目になった少年マイルス・モラレスの共闘を描き、『未来のミライ』やディズニー作品を押さえて今年度アカデミー賞長編アニメーション部門賞を獲得したスパイダーマン:スパイダーバース(吹替・2D)』(Sony Pictures Entertainment配給)。オスカー獲得とは関係なく、予告篇のクールなヴィジュアルに魅せられて、是が非でも観るつもりでした……出来たら3DとかDOLBY ATMOSとかで観たかったんですけど、このところその辺に拘ってしまうとタイミングを逃しがちなので、声優メインの役者で構成された吹替であること、を優先しました。

 ……大傑作でした。最近のマーヴェルでもDCでも減っていた、真の“ヒーロー誕生譚”になっているストーリーも最高なんですが、“多重世界”という設定を利用して、スパイダーマンごとに異なる作画、表現手法を採り入れ、映像的な実験性でもワクワクさせてくれる。人物や台詞の配置、シリアスとユーモアの匙加減、そこにマーヴェルらしさ、スパイダーマンらしさをしっかり盛り込み、なんならいまのアメコミ隆盛の立役者だったトビー・マグワイア版のスパイダーマンへの目配せまで施しながら、唯一無二の作品に仕立て上げた。質の高さはアカデミー賞よりだいぶ前から聞こえてきてましたが、これはほんとにスゴい。日本のアニメーションの影響も色濃いスパイダーを、原作に多数登場するアナザー・スパイディのなかから選んで採用してくれたのも嬉しい。

 なお今週は、観る映画のほとんどがヒーローものになる予定です……気づいたらだいぶあとがつかえてきたので、まとめて消化します。