久々のTOHOシネマズ日本橋。

 設備に問題が生じたとかで1月末から突如として休館してしまったTOHOシネマズ日本橋。ちょっと前に触れたように、3階部分は未だ安全確認が取れず閉じたままですが、5階のスクリーンのみで営業を再開しました。生憎、基本的にキャパの小さいスクリーンでかけている午前十時の映画祭9はどうやら再開されずじまいになりそうですが、せっかく復活したのだし、あえてここで観る、と決めて作品を選び、朝から出かけてまいりました。

 違っているのは、コレド室町の入口のポスターフレームに“一部再開のご案内”が貼られていたことと、ロビーの予告篇上映用モニターが消えたままになっていることぐらい。あとは外観でそれと解るような変化はありません。モニターが消えているのは、スクリーン数減少の影響で、かけられる作品が絞り込めないからでしょう……やっぱし早めに完全復活してくれるのを願いたい。なんか寂しいよ。

 というわけで復活1本目に選んだのは、今年度アカデミー賞作品賞受賞作、イタリア系の用心棒と天才黒人ピアニストという対照的なふたりの旅を、1960年代の差別問題を織り込みつつ爽快に描きだしたグリーンブック』(GAGA配給)

 ああ、これは本当にいい映画です。1960年代のアメリカの現実をかなり生々しく織り込んでいるのに、厭らしさや不快感がない。最初は差別主義的な側面もあったイタリア系の用心棒が、ピアニストの才能と、ある意味で誰よりもマイノリティであるがゆえの繊細さに触れて、真面目に彼を守ろうとし、いつしか本当の友人になっていく。なにがいいって、これらの過程に芝居がかったところがなく、心情の変化を細かなところで描きだしているのです。そうした小さな変化が積み重なったところに、月並みではあるけれど暖かな結末が待っているから心に沁みる。何度観てもいい気分になれそうな、掛け値無しの傑作。監督のピーター・ファレリーは弟のボビーと共に品のないコメディばかり撮ってきたひとですが、同時に障害のあるひとを積極的に物語に採り入れ、笑いとして昇華してきたひとでもある。そういうひとだからこそ、本篇はこんなにバランス感覚に富んだ名作になったんだと思う。

 鑑賞後は、その辺のお店で昼食……と思ったんですが、自転車でぶらぶら帰りながら店を探すもいまいちピンと来なくて、けっきょくいったん家に戻り、自転車を置いて近所のラーメン店で食べてきました。昨年の今ぐらいから四代目けいすけにハマってしまって、ちょっと足が遠のきがちになってたんですが、また月イチくらいで立ち寄るようになるかも……四代目と入れ替わりに復活する初代が私の口に合ってしまったら解らないが。