怖すぎる女の争い。

 当初、今日はTOHOシネマズ日比谷で映画を観るはずでした。実際にバイクで現地に駆けつけ、映画館まで行きはした……のですが、なんか色々あって、急遽取りやめました。細かくは書きませんが、TOHOシネマズの旗館のはずなのに、あちこち目配りが足りてません。

 いちどはもうそのまんま帰ろうか、とも思ったのですが、なんだかそれも癪で、バイクを駐めたところに向かう途中で何気なくTOHOシネマズシャンテの窓口に立ち寄ってみたら、気になっていた作品がちょうど開場したぐらいのタイミングだったため、急遽こちらを観ることにしました。

 期せずして今年初訪問となったTOHOシネマズシャンテで鑑賞した今日の作品は、『ロブスター』などで注目される鬼才ヨルゴス・ランティモス監督最新作、18世紀初頭のイギリス王室を舞台に、女王と彼女を取り巻く女たちの暗闘をブラックユーモアで彩って描き、今年度のアカデミー賞で9部門10ノミネートを果たした怪作女王陛下のお気に入り』(20世紀フォックス配給)

 上流階級、それも王室を舞台にした作品とは思えないほど猥雑でグロテスク。あとで調べてみると、やはり事実をだいぶ再構成して脚色はしているのですが、そうして極端にすることで、上流といえど変わらない人間の本質を容赦なく抉っている。病によりボロボロの身体を引きずり、しばしば癇癪を起こす女王の振る舞いは醜いとも言えますが、とことん人間的。そんな彼女に対して辛辣ではあるが、ある意味誠実で愛情に満ちた言動をするサラに対し、アビゲイルは策略と見え透いた賞賛で接近していく。上っ面と本音を巧みに暴く物語は、コスチューム・ドラマらしい華やかさをまといながらも非常に現代的。最後にアン女王が見せる尊大だが虚ろな表情が象徴的に見えてしまう、かなりクセ者の作品。メインの女性達3人がそれぞれに圧巻で、そりゃあ賞レースでも本命になるわ、と納得の1本でした。<アカデミー賞発表前に観られたのはある意味で幸運だったかも。

 この近所にあるけいすけの系列店で昼食を食べて帰ろうか、と考えて――さすがに1週間で3回は多すぎだろ、と思い、とりあえず駐車場からバイクを出して、帰途にあるケンタッキーで買い物をして帰宅。