『怪談 呪いの赤襦袢』トークイベントつき上映 at テアトル新宿。

トークイベント後の来場者向けフォトセッション、左から野田博史氏、木原浩勝氏、高橋洋氏、佐々木浩久監督、しじみ氏。 基本、混んでいるところに出かけるのはあんまり好きではありません。それ故、日曜日などは避けてるくらいですが、そもそも上映回数の少ない作品を観るためならば出かけざるを得ない。

 池の水ぜんぶ入れる番組を観たあと、電車に乗って新宿へ……バイクで出かけるには天気も駐輪場も不安だらけだったので。訪れたのはテアトル新宿です。歴史のあるミニシアターですが、邦画寄りなので私はあんまり縁がない。

 ここでは現在、オークラ劇場の主導による、成人映画として撮影しつつ、濡れ場の表現を抑制して高校生でも鑑賞出来るR15+版を制作、連続上映する『OP PICTURES+フェス2018』という企画をかけていて、本日鑑賞したのもその1作なのでした。作品は、『血を吸う宇宙』などの佐々木浩久監督、木原浩勝が秘蔵していた怪談をベースに、とある女性を襲う怪異と淫靡な事件を描いた『怪談 呪いの赤襦袢』(オーピー映画配給)

 びっくりするくらい昭和の大衆映画の匂いが濃厚な作品でした。全般に唐突な感はありますが、濡れ場の存在にちゃんと意味があり、ちゃんと艶っぽい。一方で怪談としての表現は基本を押さえていて、怖さもある。竿役の男性のキャラがなんかブレているよーにも思いますが、いきなり繰り出す台詞や表情が息抜きの笑いをもたらすので、いいリズムを作っている。ちょっと支離滅裂なところもありますが、そういうパルプっぽさもまた魅力。けっこう面白かった。

 上映終了後には関係者によるトークイベントです。まず、テアトル新宿なのに上野オークラ劇場の支配人サイトウ氏が簡単に挨拶をして、それから佐々木浩久監督、高橋洋氏、木原浩勝氏が登壇。告知されているより少ない、と思ってたら、わざとらしいフリのあと、本篇の出演者であるしじみ氏が、劇中と同じ扮装で登場。来る電車もこの写真の格好だったそうです。居合わせたら怖い。

 話題はこの作品の成り立ちがメインでした。この作品、ほとんどは佐々木監督の創作ですが、途中に登場するエピソードは木原浩勝氏が蒐集しながら、様々な事情から発表していなかった怪談がベースになっている。内容にだいぶ色事が絡んでくるのもさることながら、細かなポイントが非常に取扱の難しいものなので、作品にするのが難しかったのだそう。しかし、オークラ劇場からこの『OP PICTURES+フェス2018』のオファーを受けた佐々木監督が木原氏に相談を持ちかけた際、時間をたっぷりとかけて聞かされたこの怪談に触発されて、本篇のかたちで採用されたのだとか。驚くべきは、相談したのが5月で、8月末にはもう劇場にかけられているというその速さ。それ故か、話運びや一部の音響の組み立てに荒々しさはあったんですが、それも味になっていた。

 ちなみに一緒に登壇された高橋洋氏は、新耳袋のライブにゲストとして登壇された際にこのもとになった怪談をはじめとした“艶笑怪談”に可能性を感じた、と仰言っていたので、今後もこういう作品はときどき登場するかも知れません。

 他にも、このお三方が関わった『血を吸う宇宙』という作品が上映された当時、まさにこのテアトル新宿を舞台に起きた怪異や、撮影後すぐに取り壊されてしまったロケ場所のことなどが話題に。そして終わり近くなって、もうひとり、本篇で都合4人の女性を相手に奮闘されていた俳優・野田博史氏も登場。駆け足で、劇中妙に印象的だった表現のことを語って、お開きとなりました。

 だいぶ押せ押せになってしまったものの、このあと更にロビーで登壇者の簡単なサイン会が実施され、私もプログラムを購入して、サインを頂戴してきました。実は今日、たまたま私が着ていたTシャツが、劇中で木原氏が登場した際に着ていたのと同じだったので、珍しく登壇者に話しかけてしまいました……言わずにいられなかったから。

 更にもういちど、ポスターを前にしての撮影会が催されて、イベントは終了。さすがにもう立ち寄るとこなどないので、まっすぐ帰宅致しました。