bananaman live 2018 one-half rhapsody at 俳優座劇場。

俳優座劇場入口脇に掲示された、タイトルグラフィックポスター。 2日に鑑賞してきた『bananaman live 2018 one-half rhapsody』、本日付で全公演が終了したので、よーやく感想をアップします。

 今回もたぶん最終日あたりの公園が映像ソフトとして年明け前後にリリースされると思います。そのときまで詳細は知りたくない、という方のために、たくさん改行を入れた状態で格納しておきましたので、読みたくない方は飛ばしてください。





























































“GAME of which”

 冒頭は、スマホアプリを題材にしたネタ。初期の傑作“pumpkin”をちょっとソフトにしたような感じ。日村さんの演技の幅を引き出しつつ、設楽さんが詭弁を駆使して弄ぶ。往年に比べるとだいぶソフトとはいえ、日村さんの動きで笑わせつつ、設楽さんが筋を通しながらひねる決着、というのは如何にもバナナマンらしい。



“Bitching”

 遊びに行くと約束した友達が赤ちゃん連れでやって来て、奥さんの愚痴をこぼす、という話。まだ新婚の日村さんですが、なんかいずれこんなことがあるんじゃないかな? という印象のあるネタです。ファンなら先刻承知のとある大事件をちょっと背景として盛り込みつつ、下ネタなのに妙に爽やかに締めくくってます。



“大村なつお”

 いつぞやの大ベテラン歌手ネタの続篇かしら、と思ったら違うキャラでした。そしてまったく想像もつかない形で設楽さんが登場してベテラン歌手をやっぱり翻弄する。これも恐らくラジオ番組などでしばしば起きる事件が発想のベースなのでしょうが、普通にありがちなことでもあり、私にとっては終始ツボでした。

 そして、ベテラン歌手という設定ならたぶんあるだろう、と思っていた新曲で締めくくる。終演後、ロビーの物販にてこれのCDが発売になっていて、私は思わず購入してしまいました……缶バッジ買うつもりだったのに。



“cocky TODA”

 若い部下にどうやら侮られているらしい、と気づいた日村さんが、報復の手段を歳の近い部下である設楽さんに相談する、という内容。これも近年のライブではお馴染みの、気づけば設楽さんが日村さんをイジっているタイプのネタです。

 終始ノリで動いているように見えて、小道具まで計算尽くで用意されていて、バナナマンの仕掛けの巧さが光っていました――見てるあいだはほぼほぼ意識しないんですが、ある箇所で急に計算に気づかされて、思わず唸ってしまった。



“snitching at the PIANO”

 バナナマンのライブでは珍しいコンパクトなネタ。何じゃそりゃ、と笑ってるあいだに終わってしまいます。これも恐らくは日村さん(と、もうひとりのバナナマンとも呼ばれる作家オークラ)の悪癖が発想のもとになってます。



おまけ:幕間映像

 時として本篇よりも笑ってしまうこともある幕間映像、今回も個人的には本篇に匹敵するくらい笑ったネタがひとつありました。日常の何気ないひとコマのはずが、日村さん置き去りの蘊蓄地獄になるというもの……たぶん、ある事象の説明を考えているうちにこーなっていったんでしょうが、聴いていて笑いが止まらなかった。それで説明しちゃうのか。

 毎回ひとつは含まれている“実験”ネタは、こちらもラジオ番組のリスナーにはお馴染みのアレを採り上げてます。ラジオではいちど現物が登場してますが、映像で見ると余計にインパクトがあります……なんであんなもんを作ったんだあの男は。



“one-half rhapsody”

 トリはライブのタイトルを冠した長篇。久しぶりに再会した友達と、過去を振り返りながら語り合う、という流れ。

 バナナマンはしばしば、ひとつのネタのなかでふたりが複数のキャラを演じる、という趣向を用いることがあるのですが、今回はそれを日村さんひとりでやってのけている。舞台中央に小道具を隠した衝立代わりのカウンターを設置し、それを挟んで時間も行き来するような趣向さえ導入して、たったひとつの舞台、僅かふたりの演者で可笑しくも甘酸っぱい青春ドラマを紡ぎあげている。

 最近はそうでもなかったのですが、バナナマンのネタはしばしば謎解きめいた仕掛けを用意することがあり、今回は久々にそれに近いテイストがある――勘のいい人なら早めに察しはつくものの、それでもこの仕掛けのお陰で、ライブの締めに相応しい爽やかな余韻が生まれている。それでいて最後はしっかり笑いを攫っていくのも憎い。



総括

 やっぱり毎度ながらクオリティが高い。とりわけ今回は表題作に、個人的にバナナマンのライブで魅力的だと思っていた要素のほとんどが詰まったネタを持ってきてくれたので、もはや言うことなしです。

 ただ、初日の公演終了後の舞台挨拶の弁では、この最後のネタ、日村さんが緊張のあまり、途中のくだりを飛ばしてしまったらしい――伏線として必要な箇所だったため、あとでフォローは入れていたそうですし、それがちゃんと利いているんですから、やっぱりこの人たちのセンスは凄い、と却って感服するほかない。だいたい、今回は全般に日村さんの負担が大きく、最後のネタは特にその傾向が強かったので、致し方のないところでしょう。ラジオでの話の印象では、金曜日はどうやらミスはなかったようなので、たぶんソフト用の撮影が入っていたはずの今日の公演では、万全の芝居を見せてくれたはず、と信じて、年明け頃の発売を待つとしましょう。

 また来年も生で観たいなあ……また当たるかなあ……。