レンタルDVD鑑賞日記その581。

ほんとにあった!呪いのビデオ 76 [DVD]

ほんとにあった!呪いのビデオ 76 [DVD]

 4月リリースの『ほんとにあった!呪いのビデオ76』です。遡上する鮭を移す装置を撮影しているときに奇妙なものが映り込んだ“インディアン水車”、宿泊した宿で「外に知人がいた」と怯える恋人の言葉にカメラを向けたときの出来事“温泉旅行”、学生時代にカラオケボックスで撮影された映像の異変を追ううちに明らかになるドラマ“誰がために”前後篇など8篇を収録。

 エンドロールを見て吃驚、演出から寺内康太郎の名前が外れた代わりに川居尚美の名前が。シリーズに親しんでいる方ならご存じの通り、かなり前から演出補に名を連ねていた人物です(私の記憶では児玉和土演出の時代には顔を見せてたと思うんですが、wikiの記載では岩澤宏樹演出の頃からでした……そうだっけ?)。そして彼女の名前が演出に加わった途端、長篇のエピソード“誰がために”が優秀な青春ホラーに変貌した。

 訳が解らない、と理解を投げ出すひともいるかも知れませんが、ここで語られている心理や行動原理は、思春期の人間には自然なものです。多くの人がそのことを意識しない一方で、縛られたひとは心を蝕まれていく。嘘や無意識が入り乱れ、禍々しい感情の始まりが読み解けない、という薄気味悪さ。映像単独の怖さ、というのを求めれば、ここで採り上げられたものはぜんぶ微妙な代物でしかありませんが、プロセスを含んだ“怪奇ドキュメンタリー”としては面目躍如の内容だと思う。

 長篇のもそうなんですが、個々の映像自体にはそれほど突出したものはありません。“料理”の映像はちょっと興味を惹かれましたが、全般に傾向としては有り体。長篇の、怪奇ドキュメンタリーとしての存在感が際立った巻でした。

 既に詳細が発表されている続巻も、演出は福田陽平と川居尚美の布陣。とりあえず、期待しておこう。