それを言っちゃあ、おしまいよ。

 週末は封切り映画鑑賞の日。今週、来週は特に、観たい映画がわんさと封切られるので、出来る限り押さえに行かねばなりません。困るのは優先順位なのですが、最近は、とりあえずTOHOシネマズ上野で鑑賞出来るものを優先的に選ぶ癖がついてきました……なにせ、その気になれば徒歩でも充分余裕で行ける、という立地条件が好都合なのです。土地柄を考慮してか、アニメと邦画がかかっている率が高く、そんなわけで、『のみとり侍』に続いて今日も邦画になってしまいました。

 朝イチで上野に駆けつけ鑑賞した本日の作品は、山田洋次監督最新作、あの家族にまたぞろ起きた騒動を描く現代喜劇妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』(松竹配給)

 今回は長男の奥さまの叛乱です――が、そこに至る夫婦のやり取りや解決に大きな工夫や波乱がはるわけではない。しかし、過程での家族それぞれのやり取り、主婦を失った家の混乱ぶりなどがとにかく笑えます。もともといい役者を揃えているので安定感も強いのですが、今回感心したのは西村まさ彦です。妻に家出されるまでのプロセスでの振る舞いが、前作までの橋爪功演じる父親そっくりなのです。お手本が揃っていて脚本も整っているので当然、といえば当然なのですが、決して顔が似ているわけではないですから、その表現力はさすがのひと言。単独としての仕上がりは前作、前々作に及ばないものの、この家族のやり取りを楽しんできた観客にとっては安心感のある仕上がりでした。

 現代の社会問題を織り込みつつも、それらを絶妙な匙加減で笑いに収めていく描き方が心地好いので、もーここまで来たら監督とキャストが存命の限り続けて欲しいです。