怪し会 拾 final at 密蔵院、初日。

 いつの間にやら毎年恒例になっていた、茶風林企画・演出による怪談朗読会“怪し会”も、カウントは10回目となりました。原作者・木原浩勝の『新耳袋』『九十九怪談』いずれも第十夜を節目にしたことに倣い、これでひとまず完結が宣言されました……ぶっちゃけ、名前を変えて続けるんでしょ、と思わなくもありませんが、それでも節目には違いない。第3回から、2015年の松江公演を除くすべてに参加してきた者としては、今年を外す理由がありません。最後はなるべく多くの人に観てもらいたい、ということで、6日間、全8公演が催されるなか、私は初日である今日、参加することに致しました。

 初日ということで、とりあえず詳述は避けますが、相変わらず見応え充分でした。お寺を舞台に、蝋燭の灯りの下、語りだけで聴く怪談は趣に溢れてます。いつもよりエピソードの数は少なめですが、そのぶん各篇をじっくり聴かせるつくりになっている……途中、茶風林氏が明らかに段取りを間違えた、と思われるところがあったんですが、それもご愛嬌、ということで。

 なお今回の演目は、これまでに上演したエピソードのなかから、好評だったものと、主宰である茶風林氏の思い入れの強いものを選び、公演ごとに異なる演目となっているようです。パンフレットによれば、全日程で上演するエピソードはとりわけ茶風林氏の思い入れがある作品であるのは間違いないので、これから鑑賞予定の方はご期待ください。

 ……しかし、個人的には、本篇よりも怖いことがひとつあったんですが、それも一応は狙いがあったっぽいので、細かくは伏せます。覚えてたら来週以降、すべての公演が終了した頃合いに触れます。

 そしてもうひとつ。この公演に原作を提供してきた木原浩勝氏は、例年だと上演にもほぼ顔を見せて、お清めの際に茶風林と共に裏話を語ったりされていたのですが、今年はボストンで開催されるイベントに招かれた都合により、参加は本日だけ。つまり木原氏にとっては今日が楽日、というわけで、カーテンコールの場で花束贈呈が行われました。挨拶の段では茶風林が声を詰まらせる場面もありましたが、そういう背景もあったのかも。