ギリギリのギリギリ。

 今日はとにかく、まずは「四代目けいすけでお昼を食べたい」というのが第一でした。その前に映画も観たい。が、予報によれば、ちょうど私が出かけている時間帯に雨が当たっている。とすると移動は電車に限られますが、お店の最寄り駅まで、なるべく乗り換えを少なくしようとすると、行ける場所はだいぶ限られてくるのです。そんな感じで行き先を検討した結果――半ば観るのを諦めていた作品が、まさに今日で終映になるのに気づいて、これぞ好機、と思い、決めてしまいました。

 電車にて訪れたのは、約半年ぶりのTOHOシネマズシャンテ。鑑賞したのは、雫井脩介の小説を『関ヶ原』の原田眞人監督、木村拓哉二宮和也の競演で映画化、正義のために一線を踏み外そうとする検事の葛藤をスリリングに描いた検察側の罪人』(東宝配給)

 原田監督作品は『感染歌』と『魍魎の匣』しか観てない、というだいぶ不届きな観客なんですが、それもこれも、映画作りにストイックで怖いタイプ、というイメージがあるせいで身構えてしまい、気になっても観逃しがちでした……実際、今回もそうなりかけてましたし。

 考えられた構図や絶妙なミスマッチ感が不穏さを醸す音楽など、作り方の細部に映画を知り尽くした作家の手管が見えますが、語り口はエンタテインメント性に優れ、牽引力が高い。それでいて、“正義とは何か”を観る側に強く問いかけるテーマ性も色濃い。観終わって、言いようのない居心地の悪さも残りますが、味わい深い秀作でした。ちなみに演技面において、飛び抜けていたのはやっぱり二宮和也でした。私は、木村拓哉の芸達者ぶりは評価してますし、本篇で言えば、容疑者・松倉を担当した酒匂芳の怪演のインパクトも強かったんですが、二宮のベビーフェイスから訊問時の強烈な変貌ぶり、そして終盤の苦悩まで、多彩な表情を緩急豊かに演じきったさまは圧巻でした。序盤こそ木村の露出が多いものの、最後にはきちんと2本目の柱として、素晴らしい存在感を発揮してます。

 鑑賞後は、あまり使ったことのない路線を乗り継いで本駒込まで赴き、四代目けいすけで昼食。今週は月曜日の時点で食べるつもりでいたら、にわかに体調を崩してしまい断念したのですが、今日は月にいちど、お目当ての伊勢海老の滴に渡り蟹の滴のつけ汁もセットで提供される日なので、せっかく出かけるなら、と狙いをつけたわけです。

 乗り換えはあるものの、時間も距離もそんなにかからないから……と侮っていたら、途中の乗り換えや移動がけっこう長かった。ここしばらく、移動がバイク主体になっていたうえ、体調も思わしくなかったので、だいぶ脚が鈍っており、この移動がけっこう堪えました……ただ、お陰でいい具合に消耗したようで、つけ汁2杯ゆえにいつもより若干多めに感じる食べ比べセットも、最後まで美味しくいただけました。

 そして、たっぷり補給したエネルギーを、そこから自宅まで徒歩の移動で消費しきるのでありました――このルートだと、帰りは歩くしかないんだもの。そうでなくても体力が落ちているので、思っていたよりヘヴィなお出かけでした……。