昭和三十一年の汚れた川、から大つけ麺博2017へ。

 毎年、この時期に大つけ麺博が開催される都合で、この1ヶ月程度のあいだに限り映画鑑賞の拠点を新宿に切り替えるのがほぼ恒例になってます。というわけで、近ごろは映画鑑賞に充てることが多くなった月曜日も、当然のように新宿へ。雨は夕方くらいから、という予報なので、若干警戒しつつもバイクにてお出かけです。

 大つけ麺博の前にまずは映画です。訪れたのはTOHOシネマズ新宿、鑑賞したのは、午前十時の映画祭8上映作品、宮本輝の同題小説を映画化した小栗康平初監督作品、昭和31年の大阪を舞台に、未だ戦争の影響を引きずりながら暮らす大人達と、その背中を見つめて育つ子供たちの姿を情感に富んだタッチで描き出したドラマ『泥の河』(東映セントラル初公開時配給)

 いい映画です。内容はすごくシンプルなんですが、説明を廃し、情継のみで綴っているので、登場人物の感慨が余計に深く沁みてくる。惨めに死んでいく知己の姿に「戦争で死んだ方がましだった」と呟く父親、船で生活する友人にしばしば踏み込むのを躊躇う息子。船で暮らす家族のことを大っぴらに悪し様に言わないまでも、明らかな蔑みを向ける人々の前で、身を縮めて過ごすしかない船の姉弟。それぞれに自らの立場を考え相手の境遇を慮り、距離を測る様に優しさが滲んで、それがまた余計に切ない。恐らく相当に汚れていたはずの川を中心とした情景が不思議と美しく見える映像も相俟って、やたらと沁みてくる作品でした。

麺や七彩の手もみ醤油らーめん、ピリ辛ねぎトッピング。 映画を観たあとはお待ちかねの大つけ麺博です。金曜日に訪ねたときよりも心なしか人出がありましたが、それでもさほど待たずに今日のお目当てを確保出来ました。

 今回はつけ麺ではなく普通のラーメン、しかも王道の醤油ラーメンです。前々から気になっていた麺や七彩の手もみ醤油ラーメン、毎回味玉トッピングというのも詰まらないので、今日はピリ辛ねぎにしてみました――結果、食べる前だとネギに埋もれて麺が見えない。

 味は期待通り。手もみのもちもち感のある縮れ麺が思う存分味わえます。シンプルな醤油ラーメン、と言い条、スープは他の食材もしっかり炊き込んでいるとあって独特のコクがある……美味しいのは間違いないんですが、ここのところのやや弱っている私の胃にはちょっと重たかったかも知れない。それ故にねぎのトッピングは正解だったんですが、如何せんトッピング自体もなかなかの量なので、ワンコインサイズとは思えないくらいボリューム感があった。

 そんなわけで今日も2杯目に挑むことはせず、1杯で満足して切り上げました。また近いうちに来ますけどね。