今期のドラマはアタリでした。

 あくまで、私が観ていたものに限って、ですが、今期のドラマは本当に満足のいく出来映えでした。

 といっても観ていたのは、北条司原作の『エンジェル・ハート』と、人気映画シリーズをリニューアルさせた『釣りバカ日誌 〜新入社員浜崎伝助〜』だけですが。しかしこの2つとも、継続して観ることが出来て、最後まで楽しめた。

エンジェル・ハート』については、正直なところ、あからさまに作りが低予算過ぎるのが惜しまれます。明らかに、色んなシーンを小規模な撮影で済ませようとしたために生じた不自然がある。とはいえ、その限られた予算の中では大健闘と言っていい。

 素直に健闘を称えられるのは、構成の変更や脚色を施しつつも、原作の世界観に忠実たらんと志したことが窺える内容であったこともさることながら、ほぼ満点と言っていいキャスティングのお陰でしょう。なんでもっと早くこの人を選んでなかったんだ、と思える冴羽を筆頭に、ほぼすべてのキャストが原作のイメージをきちんと捉えて自らのものにしている。この姿勢があるだけで、印象はぜんぜん違うのです。原作ではプロローグ的に片付けられた、香瑩が冴羽の養女になるまでの過程をシリーズ全体に拡大した結果、印象的になった最終回は、戦闘部分の不自然さを割り引いても好感が持てました。何より、ラストシーンが原作読者にとってはとても嬉しい。

 他方、『釣りバカ日誌』は更に満足度が高かった。後出しジャンケンみたいではありますが、実は私は西田敏行をハマちゃんからスーさんにスライドさせる配役、というのを早いうちに想像していたため、意外性はなかったんですけど、しかしそのぶん抱いていた期待にきっちり応えてくれた。

 昨今のしわいテレビ業界で、潤沢な予算で製作なんて出来るはずがありませんから、もとより映画版のような豪華さは望むべくもない。そのぶん必要だったのは、コメディとしての楽しさでした。

 その意味でこちらは完璧と言っていい。セットやロケーションに金は使えない分、毎回ひとりずつゲストを招いて、毎回趣向を凝らして笑いを誘おうとする。放り込まれるトラブルに、西田敏行と、ハマちゃん役を引き継いだ濱田岳が見事な呼吸で乗っかってみせる。シリーズ全体を通しては、映画版でハマちゃんの奥さんとなるみち子さんとのロマンスを少しずつ育んでいくかたちで見せていき、最後の最後でやっぱり映画ファンにとって(のみならず原作ファンにとっても)ニクい描写で締めくくる。もうこのままこのスタッフとキャストで映画を仕切り直してしまえ、と言いたくなるくらいに素晴らしかった。

 ……個人的には、最終話で登場した石黒賢演じるみち子のお父さんが、さまぁ〜ずの大竹さんに見えて仕方なかったのが、内容以上にインパクトが強くて困りましたけど。