レンタルDVD鑑賞日記その94。

  • 『ナンバーズ―天才数学者の事件ファイル― シーズン1 Vol.3』(Paramount Pictures Japan)
    • 第6話『鉄道破壊計画』

 以前に起きた鉄道事故に似せた事故を立て続けに起こす、という奇妙な事件が発生する。いずれの現場にもまったく同じ暗号らしきメモが残されているが、担当捜査官たちは解明できず、捜査は暗礁に乗り上げる。新たに捜査に加わったドン・エプス捜査官は、弟である天才数学者チャーリーに暗号を解かせる傍ら、犯人の意図を探る……

 導入がユニークで見応えはあるんですが、惜しむらくは暗号の正解が、数学的な閃きとも直結しなければ、カタルシスをもたらす性質のものではなかったこと。そもそも暗号を置く必然性がいまひとつ伝わりにくいのもネックです――考えてみれば、ああいう迂遠な形で伝えねばならなかった必然性はあるんですが。

 あれだけ練りに練った犯罪に手を染めた人物のわりに最後の仕掛けが乱暴なのも引っ掛かりましたし、最後の犯行に及ぶ場所を推定するロジックにもちょっと弱さが認められる。なまじ、出だしのアイディアがいいだけに、どうも物足りなさを禁じ得ませんでした。スコット兄弟が監修しているだけあって、映像のセンスやテンポは一級なんですけど。

    • 第7話『偽札事件を追え』

 短時間に連続して発生、死傷者まで出した強盗事件。犯人たちのアジトを探り当てた結果、どうやら事件の背景に偽札事件があることが判明する。発見された偽札の解析をチャーリーに委ねたドン・エプス捜査官は、やがてその背後にもうひとつの事件が潜んでいることを突き止める……

 こちらは出だしこそストレートな犯罪ものに見せかけて、どんどん思わぬ方向へと転がっていく妙味で愉しませてくれる1話です。それでいて、ちゃんと天才数学者を中心に据えていればこそ、の見せ場があるのがいい。過程のロジックは専門用語が多いだけに理解は困難ながら、クライマックス間近でもたらされる衝撃は快感でさえありました。いや、画面観ただけで解ることではありませんが、実録犯罪ものドキュメンタリーに通じるインパクトがあります。

 一方で、チャーリーとドンの周辺のドラマをさり気なく掘り下げているのも見所。シリーズもの特有の、雰囲気だけ出して保留、という感じではなく、あくまで物語の主題に絡めつつ、最後にすっきりする形にまとめているのが好感が持てます。ひたすら先送りにするのもいいんですが、1話完結を売りにしているのなら、これが本来正しい姿だと思います。