英雄祭じゃあああ。=『HERO [劇場版]』を鑑賞したあと『GROW〜愚郎〜』初日舞台挨拶を見届けるのココロ。

 というわけでここからは翌日に記しております。

 まず1本目は、わざわざ電車にて豊洲に赴いて鑑賞。どのエリアでもかかっている作品ではありますが、先日『アドレナリン』を鑑賞した際についでに入会したCLUB SPICEの、入会特典である無料チケットを使う機会がなかなかなかったので、敢えてここまで遠出した次第。

 作品は、本放送時の平均視聴率が30%を超えるという人気を博したドラマが、6年を経て遂に劇場版として登場。型破りな検事が、大物代議士の贈収賄疑惑に絡んだ事件に挑むHERO [劇場版]』(東宝・配給)。オリジナル本放映時からちゃんと鑑賞していて、単純に木村拓哉というキャラクターに依存しない作りを評価していたので、今回の映画版もなるべく早くチェックするつもりでおりました、が先週にこれの舞台挨拶のチケットを確保しようとして敢えなく玉砕したため、少し先送りかなー、と諦めていたのですが、本日どーしてもハシゴしたい、となったときに諸条件がいちばん都合良かったために無事公開初日に鑑賞しました。6年経ったとは思えないくらい登場人物に変化がありませんが、その割り切った不変ぶりが快い、ファンにとっては嬉しい仕上がりです。美鈴が末次の社交ダンスのパートナーになっていたり、芝山の娘に対する溺愛っぷりも同じであるがゆえに成長した娘から「キモい」と罵られていたり、と細かく変化はあれど、基本的なノリが一緒なので違和感なく作品に入り込める。2時間を超える尺を活かすべくTVシリーズよりも入り組んだ、そして舞台やゲストを豪華にしているお約束ぶりも決して根っこを壊していない。いい意味でTV版から変わりない、そしていい意味で豪華になった、潔い作品。オリジナルを知らなくてもある程度は楽しめますし、旧作を知っていればより面白い、よくまとまった娯楽作品です。とりあえずTVシリーズが好きだった人なら観て損なし――果たしてスクリーンで観る必要があるかは相変わらす疑問ですけど、まあ、そこはそれ。

 観終わったあとは地下鉄を乗り継いで渋谷へ。かなり久々に訪れたQ-AXシネマにて鑑賞するのは、『HERO』ならぬ榊英雄の長篇初監督作品、いじめられっ子が奇妙な三人組との出逢いを経て“男らしさ”を身に付けていく様を描いたGROW〜愚郎〜』(チェイスフィルムエンタテインメント・配給)

 こちらも初日であるため、舞台挨拶が開催されたのですが――どうも、劇場側の手際が悪い。既に集まった一般客とマスコミ関係者との窓口を明確に分けないばかりか、インディーズから起用された主題歌を担当するバンドが通路でビラを配ったり着メロダウンロードのキャンペーンを行ったりしているので、そうでなくても狭い通路が圧縮されてぜんぜん進まない。地下の劇場に入ってみればここでもプログラム販売の行列と入場する列、更には女子トイレに連なる人とが混在してこちらも異様なまでに窮屈。当然のように、本来のイベント開始時刻に客が席に着くことが不可能となり、夜遅い上映だというのに10分以上開催が遅れてしまった。渋谷地区では新しい小屋とはいえもう1年以上やってるんですから、イベント上映のとき狭くて身動きが取りづらくなるのはもう承知しているでしょうに、この手際の悪さは劇場側に学習能力がないとしか思えません。

 だいぶ不愉快な想いが募ったところで、ようやく舞台挨拶開始。主演の桐谷健太を筆頭に、中村映里子三上真史寺島進菅田俊、そして榊英雄監督という6人が登壇しました。司会が製作者のひとりでやたらと不慣れだったため進行はぎこちなかったのですが、桐谷健太が道化役に回ったり榊監督が盛んに茶化したり仕切ったりして、グダグダながらもなかなか楽しい挨拶となり、劇場側の手際の悪さで募っていた不快感もちょっと拭われました。

 そして肝心の本編はというと――正直に言って、想像していたよりも遥かに面白かった。いじめを少し過剰に描きながらも作品にあまり陰湿な印象がないのは、早い段階で寺島進菅田俊・木下ほうかが演じる三人組を登場させ、ユーモラスな雰囲気を作りだしているから。監督の映画に対する想いの強さのあまり、全般に“表現したい”ことが先走った画や演出が目立ちますが、そうした粗さや剥き出しの情熱が、作品の主題といい具合に噛み合って、良質の青春映画に結実しています。先に観た『HERO』と比べるとあからさまに低予算ですが、しかし愛情と熱意ではまったくひけを取らない。私はこの作品、大好きです。

 と、内容は申し分ないのですが、しかし上映後も劇場の客あしらいはどうも手際が悪く、物販の列を中にではなく外に向かって作ったぶんまだましにはなりましたが、しかしやっぱり動きづらいことこの上ない。開演前に買い損ねたパンフレットをどうにか購入すると、既に12時近かったので、急ぎ劇場を離れて家路に就きました。……ちゃんと榊監督や残っていたキャストが見送りに残っていてくれたんですから、ちょっとぐらい様子を窺っていたかったんですけどねえ。ま、何とかサイン入りのパンフレットは入手できたので良しとしましょう。

 家に着くと当然12時を回っているわけで、遅すぎる夕食を簡単に済ませ、静かに入浴し、用意しておいた『題名のない子守唄』の感想と見出しとをアップすると、とにかく床に就いたのでした……