逞しく生きる者が、いちばん強い。

 本日は午前十時の映画祭15プログラム切替の初日です。思うところあって、初日早々、観に行くことにしました。
 ただ注意しなければならないのは、行き先をTOHOシネマズ新宿にしていること。いつもの日本橋よりちょっと移動時間がかかるうえ、新宿は初回上映時間がおしなべて早い。ものによっては、8時台からある。だから、朝ドラは録画に委ね、さっさと出かけねばなりません。いつもは目覚ましなどあまり気にしないのですが、常時設定しているものに加え、ここで起きればなんとか余裕を持って移動出来るはず、という時間にも設定しておいた。
 ぜんぶブッちぎって、出なきゃ遅れる、というギリギリに起きました。
 いちどは目が覚めた、覚えはあるのです。しかし、そこで「起きなきゃ」と考える前に、二度寝に入ってしまったような記憶がある。
 慌てて起き出し、着替えと準備を軽く済ませ、ひと揃え抱えて階下へ。母も今朝は出るのが遅いので起きたばかり、朝食の準備もありませんでしたが、さすがに何も口に入れないのはしんどいだろう、ときのう買ってあった菓子パンを半分を提供してくれたので、牛乳と一緒に流し込み、朝の薬を服用して、取り急ぎお出かけ。
 なんっっとか、間に合いました。
 劇場に到着したのが上映開始予定時刻ぴったり、チケットは発券機で辛うじてプリントでき、ドリンクも列が出来るギリギリのところだったので、急いで購入。もぎりの方に本篇開始時間を確認し、とりあえず用心のため立ち寄るくらいの余裕はある、と信じて駆け込み、無事、本篇開始前に着席出来ました。あの黒地に堂々とした書体で記したオープニングクレジットもちゃんと頭から観られた。
 黒地に堂々たる書体のオープニングといえばこれ、午前十時の映画祭15今コマの作品は、もはや日本映画どころか世界的に見ても金字塔と言い切ってもいい傑作、困窮した農民たちに雇われた男たちが、野武士に戦略で挑む時代アクション七人の侍【新4Kリマスター】』(東宝配給)。昨年の第77回カンヌ国際映画祭で初めて上映されたという最新リマスター版での上映です。
 古い作品も映画館で観るようになって以来、もう何回も観てますが、一向に飽きない。圧倒的なリアリティを誇る映像、準備から丹念に描きつつも常に見せ場のある巧みな構成、そしてクライマックスの、その後のアクション表現に大きな影響を与えた映像。エンタテインメントとして上質でありながら、戦国時代の武士、農民の、こうだったのではないか、と想像しうる生々しさが詰め込まれ、そこで生まれるドラマが深く、重い。
 幸いにも私はフィルム版も観てますし、従来のデジタルリマスター版も鑑賞している。フィルム版はどうしても避けられぬ劣化も手伝って、本当に台詞の聴き取りにくい箇所が多くあって、以前のリマスターでも完全にはなってなかったんですが、確実に改善されてる。中盤、農民のある行動に侍たちが不快を露わにしたとき、侍たちに激昂した菊千代(三船敏郎)の台詞あたりはかなり聴き取りやすくなった――それでもまだ、この人いま何言った? というところはあちこちあるけれど、確実に解りやすくなってるし、映像の質はもう現代の作品に匹敵するところまで来てる。近年の作品しか観てないひとでも充分に楽しめるはず。
 なお、通常は2週間上映の午前十時の映画祭ですが、今回の『七人の侍』は、最新リマスターということもあってか3週上映です。映画館で流す予告篇に、本篇のみのヴァージョンが用意されたり、映画祭の公式サイトでも特設サイトも出してます。ご覧になりたい方は、特設サイトをご参照ください。
 ……3週あるから、焦って観に行く必要はなかったんですが、来週もイベントがあるし、作業との兼ね合いもあるので、さっさと観ておくべきだと思ったのよ。

 鑑賞後は当然のごとく大久保公園に赴き、目下開催中の大つけ麺博にて昼食。詳しくは後日触れますが、大“つけ麺”博と言いつつ、“新作ラーメン祭”なので、ラーメンでの出店が多いなか、1杯目に続いてつけ麺となりました。好みとフィーリングの結果である。
 食事を済ませて帰宅。帰りがやや遅めになった分、昼寝を挟むと、透析の準備が慌ただしくなるので、今日は透析をお休みしました……いまいちよく眠れなかったので、あんまし意味はなかったけど。

TOHOシネマズ新宿、スクリーン4入口脇に掲示された『七人の侍』上映時の午前十時の映画祭15案内ポスター。
TOHOシネマズ新宿、スクリーン4入口脇に掲示された『七人の侍』上映時の午前十時の映画祭15案内ポスター。

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