奇跡は簡単には起こせない。

 今週はプログラム切替直後ではありません、が、午前十時の映画祭12を観に行きました。先週は、いつも使っているTOHOシネマズ日本橋での上映が12時台のスタートで、前後のスケジュールが組みにくかったため、プログラム順の異なるTOHOシネマズ錦糸町 オリナスを利用しましたが、今週の日本橋は原点回帰の午前十時スタート。だったら、来週に錦糸町や新宿など、別の劇場で鑑賞するより、早めに日本橋で観てしまおう、と考えた次第。
 春は近づけど、陽気はそれゆえの三寒四温。またぞろの冷え込みに身体を縮めつつ電車にて移動。一般的な方の通勤時間よりちょっと遅い時刻なので、車内の混雑もほどほどで、ストレスは少ない。
 鑑賞した今コマの作品は、ルポルタージュをもとにしたドラマ、研究から臨床に転じた医師が、一部の神経症患者に行った投薬で起きた奇跡とその現実を描いた『レナードの朝』(コロンビア・トライスター映画初公開時配給)
 科学的に正確とは言えない部分も多いようですが、しかし人間的な誠実さに満ちた作品。ほとんどのことに反応を示さない患者にある共通点を発見したことから治療の道を探り、やがて奇跡のような成果に結びつく。しかし、医師が発見した治療はその一方で、悲しい現実をも人びとに突きつけていく。ただの奇跡で物語を終わらせず、そこから始まる苦悩、戦いに焦点を当てていることが秀逸。
 けっこう過酷な現実を描いているのに不思議と余韻が優しいのは、登場人物が患者や症状に向き合い、そこに確かな“光”が感じられるからでしょう。少なくとも患者に希望をもたらしたことは間違いないし、それに真摯に向き合った医師が、自らの人生にも向き合うようになったことも確か。映像的な美しさや変化には乏しいですが、それでも印象深い1本。今は亡きロビン・ウィリアムズと、ロバート・デ・ニーロという名優ふたりの演技対決が拝めるのもいい。
 ちなみにこの作品と、映画祭の中でセットにされている『フィッシャー・キング』は、映像ソフト発売元のSony Pictures Entertainmentで一時期出ていた関連作品2本パックのシリーズでもセットで販売されてました。Amazon.co.jpでは2月21日現在、まだ買える。

 当初、映画のあとは久しぶりにカラシビ味噌らー麺 鬼金棒に食べに行こう、と思ってました……が、実はきのう、『YOUは何しに日本へ?』で、以前に密着した辛い物好きの外国人がこの店にチャレンジする様を再放送していた。そうでなくても列の出来る店なので、今日はいつもより客が多いかも、と判断し、毎度の如く日本橋ふくしま館 MIDETTEへ。きょうイートインに出店していたのは、これまでタイミングが会わず食べたことのない創作麺 やま鳶というお店だったので、ちょうどよかったかも知れません。

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