復讐の破壊神現る。

 本日の映画鑑賞は9時開映、ちょっと早起きしないとバタつく……って解ってたのに、けっきょくいつもと同じくらいの時間に起床してしまい、バタバタと食事、洗顔を済ませ、朝ドラは流し見て出発する羽目に。気温の低ささえ受け入れるならバイクでもいい天気だったんですが、この出発時刻だと、いつもの駐車場が埋まっていれば遅刻確定。なので、時間短縮のため電車を利用……朝早いと混んでるのであんまし嬉しくないんすけどね。
 劇場は丸の内ピカデリー、ただし、このところお気に入りだったDolby CINEMAではなく、通常スクリーンです。旧丸の内プラゼールの敷地にあるDolby CINEMAと違い、こちらは以前と変わらずマリオン。そのため、ものすごーく久々の来場だったのですが……著しく感じが変わってました。内装は無茶苦茶明るくなってるし、コンセッションは商品がDolby CINEMAとは違うし。改装してから初めての訪問だったもので、ちょっと困惑。
 鑑賞したのは、《DCエクステンデッド・ユニヴァース》最新作……というカテゴリでいいのか謎ですがとにかくDC作品、『シャザム!』と源流を同じくしながらも復讐心に支配された超人が現代に蘇るブラックアダム(字幕)』(Warner Bros.配給)
 ……ほんとはDolby CINEMAで観たかったのよ。しかし、同時期封切の『THE FIRST SLUM DUNK』に枠を奪われて、上映回が私にはあんまり都合の良くない時間にされてしまった。結果、なかなか都合がつけられず、より大きな『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の公開によって、Dolby CINEMAで観られるのは今日が最後になってしまった。当初の腹づもりでは、12時スタートの回を観るつもりでしたが、そうするためには今日の透析を休まないとちょっと時間割が厳しい。が、金曜日以降の時間割を調べてみた結果、金曜日の透析を休む以外に綺麗に収めるスケジュールが組めず、本篇をプレミアムシアターで鑑賞するのは断念しました……で、断念した上で観に行くところを探した結果、よりにもよってDolby CINEMAを有する丸の内ピカデリーだった、っていう……。
 前置きはさておき、本国では評論家の評価と観客の評価が乖離したことでもちょっと話題になった本作、観てみると「成る程そりゃそうなるわ」でした。ヒーロー映画としては至極正しく、本懐を貫いた潔い作品なんですが、それゆえに、すれっからしには手垢の付きまくってる主題なのです。なんなら、先日公開された、奇しくも同じ色をモチーフとする『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は本質的に本作と同じテーマを有しているけれど、そこに主人公の喪失、マイノリティの問題を絡めドラマとして奥行きを増したことで評論家も唸らせてる。
 ただ本篇の、“欲しいものをきっちり拾ってる”潔さ、爽快感はあちらにはないものです。容赦なく悪人を殺しまくる豪胆な振る舞い、それでいて信念のある振る舞いはきちんと共感も呼ぶ。ポリシーの違いゆえに、DCのもうひとつのヒーロー・チーム《JSA》と衝突するものの、やがてはある一線で敬意を払い、信頼さえ結んでいくさまが痛快です。そしてこの闇を孕むヒーロー像に、まあドウェイン・ジョンソンがよく嵌まること。
 面白いのは、前述の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』とある意味で似たような展開を辿りながらも、タイトルロールの選択が異なっている点。あちらよりエンタテインメントであることに徹した本篇ですが、だからこそ、線対称に位置するような結末に辿り着いた、というのがまた興味深い。DCはここに来てトップが総入れ替えになり計画の見直しを図っているそうで、先行きはだいぶ不透明になっているようですが、混沌としているがゆえに、統制の取れたマーヴェルとは似て非なるヒーロー像を追求する結果になっている気がします。
 このドウェイン・ジョンソンの情熱の籠もったアンチヒーローはなかなか魅力があるので、出来れば続篇を期待したいところですが、果たしてどうなるやら。

 鑑賞後は、夜に行われる茶風林氏のオンラインイベントに合わせたお酒を購入するべく、東京駅方面に徒歩で移動。先に、目当ての店から意外と近いところにあったど・みその本店に立ち寄り早めの昼食を摂ってから、銀座君嶋屋へ。ここは、島根県の王祿酒造が卸している都内では数少ない特約店なのです。-5℃での保存を確実にしているお店にしか卸していないお酒なので、買ったら寄り道せずに帰宅したかったため、先に昼食を済ませたわけです。無事に確保して、いい気分で家路に就くのでありました。

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