映画界がフィリップ・K・ディックを知った日。

 プログラム切替直後の火曜費につき、午前十時の映画祭12を観てきました……ある理由から、木曜日にしようか悩んだのですが、予定が詰まりまくることに気づいて、いつも通りのスケジュールで動きました。
 移動は電車です。このところ自転車を漕いでないので、久しぶりに使おうか、とも思いましたが、天気予報が芳しくない。出かける時点の予報では、私が家に帰るまでは保ちそうなんですが、決して楽観視は出来ない。
 いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、退廃した近未来のヴィジュアルがカルト的人気を博し、その後映画界にてフィリップ・K・ディック作品が次々映画化されるきっかけにもなった伝説の1本、人間に極めて似通ったマシン《レプリカント》と、それを追う捜査官を描く『ブレードランナー ファイナル・カット〈4Kマスター版〉』(Warner Bros.初公開時配給)。ひとつ前のディレクターズ・カット最終版をDVDにて鑑賞してますが、ファイナル・カット、そして大きなスクリーンで観るのは初めて。
 決して動的ではなく、全体で激しい紆余曲折があるわけではない。しかし、薄汚れた近未来像と、《レプリカント》を巡る思索的な描写が強烈に印象に残ります。機能ゆえに制約を受けた命を永らえようと藻掻くレプリカント、それらを追跡しながらも憂いを覗かせるデッカード。現代のSF映画にも強い影響を及ぼす重厚なトーンは、1982年の作にして既に古典の趣がある。
 その世界観を美しく研ぎ澄ませた『ブレードランナー2049』も名作ですが、やっぱり本篇ありきです。本篇以降、フィリップ・K・ディック作品やその影響著しい映画が増えている点でも重要な作品。

 どうやら映画を観ているあいだに近隣では雨が降っていたらしく、濡れた道を歩いて日本橋ふくしま館へ。老麺まるやがイートインに出店しているときは必ず立ち寄る、というのがもうお決まりになってます。今回は食後、お土産も購入……常々、母にも食べさせたい、と思ってるのですが、母の気分が乗って、かつスケジュールが合う日には来てないので、お土産を買っていくしかないのです。具は自分で用意しなければなりませんが、麺とスープの再現度が高いので、お土産としても良質だったりする。

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