今年最後のハシゴは、幻覚のジェットコースター。

 今年も終わりが近づき、総まとめの時期になりました。毎年大晦日にアップするための準備がまあまあ大変、そして今年は色々あって、終盤に来て宿題が溜まりがちなので、例年30日に見納めをしている映画鑑賞を28日に済ませることにしました。
 しかしそうすると、観に行ける日が残り少ない。どうしようかな、と悩みつつ、発表された映画館のスケジュールを眺めていたら、観ておきたかった作品が、1本は9時スタート11時終了、もう1本が11時スタート13時10分終了、という見事な噛み合わせで並んでいた――あいだに移動の余裕すらないのはまずい、と思いつつも、こうも綺麗に繋がることは珍しいので、さっさとチケットを確保してしまった。

 劇場はTOHOシネマズ上野。行くのが楽だから、9時という早めの時間割も受け入れられたわけです。他の劇場だと早起きしなければなりませんが、ここなら朝ドラを観てからでもギリギリ間に合う。
 とはいえ諸々あってだいぶギリギリに駆け込み鑑賞した1本目は、大ヒット3DCGアニメの続篇、成長した兄弟が、新たな《ボス・レディ》とともに世界の危機に挑むボス・ベイビー ファミリー・ミッション(吹替)』(東宝東和×GAGA配給)。ムロツヨシを中心とする吹替声優がなかなかハマっていたので、今回もはなから吹き替えで観るつもりでした。
 前作でも感じたことですが、さすがに話の展開が奔放すぎる。こういう作品は、リアルの部分を明確にすることで、ファンタジー部分が際立つんですが、このシリーズはどっちもしっちゃかめっちゃか。序盤から現実世界に影響及ぼしまくりなのに、それを気に留めるひとがあんまりいない。それだけの能力がありゃ突き止められるだろ、程度の陰謀も観逃してるし、ずっと違和感覚えまくり。
 ただ、イベントは盛り沢山で観ていて退屈はしない。いちどは大人になったボス・ベイビーと兄ティムも特別な薬で子供に戻され、衝動が押さえられないのでまあ話が脱線する脱線する。そのお陰でシンプルなはずの任務がやたらとスリリングになってる。そして、まあ無理矢理ではありつつも、最終的に世代を超える家族のドラマになっていて、なかなかグッと来る結末になってます。いい意味でも悪い意味でも、幼稚さが売りなので、その大胆さを含めて楽しめるひとでないとキツいですが、シリーズとしての魅力はちゃんと押さえてる。

 鑑賞後はすぐさま階下へ。この劇場は7階から9階までのフロアを用いていて、『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』は9階の5スクリーンですが、次の作品は7階の1スクリーン。構造上、9階からはいちどエスカレーターで7階のロビーに降り、改めて窓口にチケットを提示しなければいけない。しかも、朝早かったせいで、生理現象にも見舞われている。ひとまず窓口で予告篇の時間を確かめると、自分の席にポップコーンとドリンク、荷物を置いてトイレに駆け込む。1本目同様、ギリギリで本篇に間に合いました……やっぱりこの時間割には無理がありました。合間に最低10分は欲しいよ。
 本日2本目は『ホット・ファズ』などで注目の監督エドガー・ライト最新作、デザイナーに憧れ田舎町からロンドンに移り住んだ少女が遭遇する煌びやかで禍々しい悪夢を、60年代テイストで彩ったスリラーラストナイト・イン・ソーホー』(PARCO×ユニバーサル映画配給)
 うおおこれは大好き。亡霊が見える、というホラーテイスト全開の設定が、序盤からの幻覚じみた描写を導き、独創的なヴィジュアルでヒロインもろとも観客を幻惑する。しかし、過去のものと思われる幻影が悪夢に傾斜していくに従い、現在のヒロインも追い込まれていく。終盤の狂気と紙一重の展開から辿り着くクライマックスはスリリングでありながら、夢を抱いて都会を目指した女性の苦悩が滲み出ていて感動的。ライト監督らしい、往年のポップ・ミュージックの粋な使い方やツボをわきまえた語り口など、見所も目白押し。実に面白かった。

 鑑賞後、映画館から少し足を伸ばしたところのラーメン店へ……行こうかと思ってましたが、きのう、このひと月半ばかりサボっていた『Fit Boxing 2』を再開したダメージがいまごろ出てきてヘロヘロなので、比較的近い御徒町ラーメン横丁で選ぶことに。いつ来ても列の出来ている蒙古タンメン中本が珍しくすんなり入れそうだったので、こちらで食べてきました。選んだのは初めてのとき同様、初心者向けの味噌タンメン。私は昔から気管支が弱いので、ここの辛味はたぶんあんまし強くしない方がいい、という判断です。初心者向けでも充分美味しい……しかし、食べながらほかの注文を聞いてると、ホントに北極を頼むひといるのね……。

コメント

  1. […] 原題:“Last Night in Soho” / 監督:エドガー・ライト / 脚本:エドガー・ライト、クリスティン・ウィルソン=ケアンズ /  […]

  2. […] 原題:“The Boss Baby Family Business” / 原作:マーラ・フレイジー / 監督&製作総指揮:トム・マクグラス / 脚本:マイケル・マッカラーズ /  […]

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