まさに“心霊アベンジャーズ”。

 きのうからオリンピックが本格的に始まり、一部地域は渋滞が激しくなっている。そしてテレビはテレビで、オリンピック特番が溢れている……開催自体は賛成してるんだけど競技に興味のない私はだいぶ手持ち無沙汰です。
 来週あたりから、リビングで時間を過ごすことが増えるはずなので、きょうはそれを想定し、午前中はひたすら居座ってみることにしました。『Fit Boxing 2』はこの季節、ダメージがでかすぎるので、適度に控える。
 きのう月額レンタルで届いた怪奇ドキュメンタリーを立て続けに2本鑑賞したあと、こんどは配信で映画を……とも思ったのですが、なんか勢いが止まらなくなって、少し前にちょこっとだけつまんだあとほったらかしにしていた、『心霊マスターテープ』という作品を鑑賞。
『ほんとうに映った!監死カメラ』シリーズなどを手懸けた寺内康太郎監督による、これははっきりと“フィクション”を公言したフェイク・ドキュメンタリー。
 なにが楽しいって、いわゆる怪奇ドキュメンタリーを手懸ける監督がやたらと登場するのです。この流れの礎を築いた中村義洋を筆頭に、福田陽平、岩澤俊樹、古賀奏一郞、色々と物議を醸した『境界カメラ』のコンビ、また各作品の名物アシスタントも顔を見せ、この手の作品を漁っているひととしてはいちいち声を上げてしまう。
 ただ正直、第1話が弱いのが難です。話題にある、最初の心霊ドキュメンタリーと思われるビデオの背景の説明がちょっとダラダラしている。取材をしている寺内監督らにも怪異が襲いかかるようになってからは俄然面白くなってくるのですが、そこまでちょっと長い。配信するシリーズものの第1話は大事な掴みなんですから、もーちょっと構成に工夫が欲しかったかも。
 しかし、事態が進むと更に愉しさが増してくる。なにしろ関係者がそれぞれみんな心霊ドキュメンタリーの監督やスタッフなので、色々な場所でカメラを回すし、関係のないところでも回す。それゆえに、想定もしないところで怪奇現象を捉えたり、登場人物がお互いを撮り合う、なんてシチュエーションも面白い。第4話になると『心霊~パンデミック』のスタッフとの混成部隊まで結成したりして、ほんとに“心霊アベンジャーズ”の様相を呈している――それぞれの作品のクオリティを承知してると、結果が心配にはなるんですが。特に徳丸。
しかし、ちゃんと第6話でオチがつく。予め“フィクション”と銘打っていればこそ、の大胆な結末はなかなか好き。他の作品にも感じた、こういう趣向で撮り続けることの“業”みたいなものを感じさせます。様々な怪奇ドキュメンタリーを愛好して観ているようなひとには大変オススメ。

 公開は昨年頭、だいぶ好評だったようで、既にシーズン2がリリースされている。なにせオリンピックでほかに観るものもなく、さっそく鑑賞しておりますが、シーズン1の撮影の直後から始まる、という設定の入れ子になっている。もうこういうお遊びが楽しくてたまらない。

コメント

  1. […]  昨日の項目をアップしたあと、冒頭だけちょこっと観て止めていた『心霊マスターテープ2』ですが――けっきょく、そのまんま、最後まで観ちゃいました。 […]

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