この魔女は見習いではなくガチ。

 本日も例によって映画鑑賞です。予め作品は見定めていた……のですが、朝一番の回だと、どこもちょっと早すぎる。幸い、移動にほぼ手間がかからないTOHOシネマズ上野で、観終わってもいつもの夕食の時間までに帰れる枠での上映があったため、ここで拾うことに。選択肢に入ったら優先せざるを得ないIMAXやDolby Cinemaの上映予定はない奴だし。
 と言うわけで、夕方から観てきたのは、『チャーリーとチョコレート工場』で知られるロアルト・ダールの児童文学を『フライト』のロバート・ゼメキス監督、ギレルモ・デル・トロ脚色、アルフォンソ・キュアロン製作で映画化、魔女達の陰謀に、ネズミにされた子供たちが挑むファンタジー魔女がいっぱい』(Warner Bros.配給)
 まさに正しい児童文学。あまりにも明確な“邪悪”のヴィジュアルと設定、その枠の中で、決して残酷ではないけれどちょっとグロテスクに、しかしユーモアを交えて描き出される冒険の数々。内容として込み入ったところはないんですが、それゆえに純真に楽しめる。
 何がいいって、アン・ハサウェイの《大魔女》の弾けっぷりが素晴らしい。特殊メイクやCGも駆使した顔芸に、意味のない空中移動までして見せてやりたい砲台。彼女以外の魔女がまっっっったく目立ってないので、タイトルを裏切ってる感はありますが、でも彼女だけでお腹いっぱいでもある。
 こうした作品としては意外な結末なんですが、ほろ苦さの中に力強さもあって後味は爽やか。パンフレットを確認すると、どうやらこれは原作者の意に添った結末でもあったようですが、また同時にギレルモ・デル・トロやアルフォンソ・キュアロンがしばしば採り上げてきたテーマとも合致していて、実に彼ららしい仕上がりだと思う。いい意味で、子供の気分になれる良作。

コメント

  1. […] 原題:“The Witches” / 原作:ロアルド・ダール / 監督:ロバート・ゼメキス /  […]

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