ハードボイルド……になれないひとたち。

 今週は2本目もTOHOシネマズ上野です。ほんとは違う作品を第1候補にしてたんですが、もろもろの事情から作品を買える必要に迫られ、スケジュールとかを睨んだ結果、上野続きになってしまいました。まあ、足を運びやすいのがいちばん大きいんですが。まだ関東は梅雨明けしてませんが、とりあえず映画が終わるお昼くらいまでは保ちそうなので、今回も自転車にてお出かけ。
 本日の作品は、阪本順治監督が石橋蓮司を主演に招き、夜は伝説のヒットマン、しかしその実、ハードボイルドが書きたいだけの売れない作家が陥るトラブルを、雰囲気だけはふんだんに描いた一度も撃ってません』(kino films配給)。ちなみに今回のスクリーンは1、約4ヶ月前、同じところで『一度死んでみた』を観ました。偶然です。
 ストーリーに仕掛けがある、とか大きなカタルシスがある、という類ではないけれど、観ていて終始心地よい作品。いわゆるハードボイルド作品の要素をこれでもかとぶっ込みつつ、逃れようのない“老い”を自虐的でしみじみとした笑いに昇華している。とにかく出てくる役者たちがことごとくキュートです。冷静に考えて、あちこちあり得ない展開だらけなんですが、年を取るということや、創作を巡る葛藤、それに職業的暗殺者の挙動などにきちんとリアリティが担保してあって、実感的。ストーリーとしての波瀾万丈さや辻褄よりも、雰囲気や設定を俳優・スタッフが楽しみ、丁寧に膨らませている。傑作、と言うのはなんか似合わないんですが、とても気分のいい作品でした。
 一昨日に来たとき、鑑賞した『コンフィデンスマンJP プリンセス編』のパンフレットが完売状態だったため、もし再入荷していたら一緒に買うつもりでいましたが――今日も見当たらず。『一度も撃ってません』のパンフレットを買いつつ訊ねてみたら、座席制限などの理由から販売数を少なく見積もっていたらしい。しかし実際には前作越えも見込める動員なんですから、そりゃあ売り切れにもなる……まして、直前にああいうこともありましたし。

 鑑賞後は、上野駅近くまで移動し、アトレ山下口付近にある六厘舎上野へ。お昼時だと列が出来ていることも多い人気店ですが、映画が終わる時間が早かったので、すんなりと入店。今日もあんまし食欲が旺盛とは言えない状態だったので、麺をちょこっと少なめにして味わってきました……並盛りで450gあるところを100g減らしてもらったんですが、それでも気分的には多かった。ラーメン店はガッツリ食べたいひとばかりでなく、味は楽しみたいけど食は細い、というひとにも対応してくれるといいんだけどなー……。

コメント

  1. […] 企画&監督:阪本順治 / 脚本:丸山昇一 /  […]

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