TOHOシネマズ池袋初訪問は、込み入りすぎたSF。

TOHOシネマズ池袋入口付近。

 きのう7月3日、池袋に新しいシネコン“TOHOシネマズ池袋”がオープンしました。もしシネマイレージに1ヶ月フリーパスの特典が残ってたら、新しい劇場で発行して、全スクリーン制覇を目指してしばらく集中的に通うところでしたが、フリーパスは昨年末でサーヴィスを終了してしまった。なので、普通にネットでチケットを押さえ、普通にお出かけ。予報ではだいぶ荒れた空模様になる、とのことなので、考えるまでもなく電車移動です。
 新しい劇場はHareza池袋という商業施設に入っている。やや駅から歩くものの、道は難しくない。だいたいの目星をつけて移動してもちゃんと着いた。
 ただ、正直に言えば、いろいろとモヤッとするところの多い劇場です。
 まずHarezaのエントランスから2階にあるTOHOシネマズ池袋のエントランスまで階段が伸びている。エスカレーターはついてるけど上りだけ、しかもエスカレーター前に2段だけ階段がある。歩行に困難があるようなひとにはだいぶ不親切。エレベーターはある……と思うんですが、ざっと見た感じでは解らず、これも気になる。
 ロビーに入ると今度は、予告篇などを流すモニターと従業員の呼び込みがうるさくて、コンセッションでの会話がし辛い――これはTOHOシネマズが新規オープンするたびにやらかしてる。映画館の利益は上映作品以上に売店での売り上げにかかってるはずですが、せっかく買ってくれるお客にストレス与えてどうすんでしょう。ましていまはみんなマスク着用、衝立越しになることが多いので、そうでなくても会話しにくいのに。
 そして個人的にいちばん厭なのは、各スクリーンに、いまなにを上映しているスクリーンなのか、判断する手がかりがないこと。日比谷も同様だということを考えると、TOHOシネマズはこういうスタイルをメインにする意向っぽいんですが、これが私にはよく理解できない。恐らく、チラシなりポスターなりを入れ替える手間を省くことでオペレーションの簡略化を図った、というところなのでしょうが、観客が間違ったスクリーンに入ってしまう可能性がある。まあ、もぎりのところにデジタルサイネージで案内が出てますし、観客の手許にチケットもあるので、注意していれば間違えることはないのですが。
 しかしこのやり方は、どうにも彩りが足りない。観客からしてみれば、これから映画を観る、という気分が欲しいのに、続くのは画一的な入口だけ。チラシみたいなちょっとしたものでも、気分をちょっとだけ盛り上げる手助けになりますし、例えば企画上映でも、チラシなり場面写真なりが掲示されていれば、何がかかっているのかも解るし雰囲気作りにもなる。何より、他の作品を見に来ていても、スクリーンの前に掲げられているチラシなどの存在が、今この作品がかかっている、というアピールをするので、後日改めて、その別の作品のために来場するきっかけを与えることにもなる。
 アピール、といえば、TOHOシネマズ日比谷は公開予定作品のチラシを並べるスペースすら用意していなくて、これから何がかかるのが劇場ではまったく解らない有様でしたが、そこだけは反省したのか、池袋にはちゃんとチラシが並んでました……確かに世の中ペーパーレスの方向に推移してますが、チラシには記念や記録、という意味合いもあって、それこそ映画好きからすれば大事なアイテムなので、その辺は疎かにしないで欲しい。。
 TOHOシネマズはどうも、どこでオープンしても内装に差がなくて、ここでなくては観られない、という作品がないと敢えて足を運ぶ気がしない傾向にある。この様子なら、内装に凝っているぶんグランドシネマサンシャインのほうが魅力がある――ただあそこはオープン直後に訪れた際、トイレのゴミ箱が既に溢れかえっている、というのを目撃してしまって、別の問題を抱えていそうだ、と判断して敬遠気味ではあるのですが、それでも映画館としてはTOHOシネマズ池袋よりなんぼか行く気になる。
 先にも記したとおり、私はTOHOシネマズ系列の新館がオープンした際は、しばらく積極的に通う傾向にあるんですが、たぶんここはあんまり来ない。これなら他のTOHOシネマズで充分です。

 ……と、映画館じたいはさんざん腐しましたが、しかし映画自体は非常に面白かった。鑑賞したのは、ヨーロッパ企画がトリウッドとともに制作した長篇映画、2分後を映すモニターと2分前を映すモニターが突如現れたことで起きるパニックを描いたSFコメディドロステのはてで僕ら』(Tollywood配給)
 これはほんとに楽しかった。2分、という短いスパンがミソで、画面上で提示された行動に、当人が縛られてしまう。このシステムを利用したお遊びが次第にとんでもない事態に転がっていって、先の映像を見せられたはずなのに予測困難、という実に緊密でスリリングな作品空間が構築されてる。
 しかしこの作品、撮影の行程を想像してしまうようなひとだと、内容以前にその尋常でない手間の多さに頭が下がり、苦労を強いられるスタッフに同情したくなるはず。なにが凄いって、この趣向をワンカットで成立させるために、どれほど同じ演技を繰り返させられたのか、そしてどれほど緻密にタイミングを計って動かねばならなかった、ということで。その作り手の意欲と努力で、見事に藤子・F・不二雄風“すこし・ふしぎ”な物語に仕立て上げたスタッフやキャストをひたすら労いたくなります。
 ちなみにエンドロールのあとに、来場者だけ観られる舞台裏映像への案内が出ますので、最後まで席を立たないことをお薦めします。劇場を出たあと、もうちょっと楽しめますので。

 映画鑑賞のあとは、西武食品館でかるかやのうどんを購入。いつもなら屋上で食べて帰るところですが、きょうは天気が荒れる、という予報……だったんですが、私が外出しているあいだ、東京は穏やかなもので、ぶら下げてきた傘もほとんど差してません。とはいえ、母には昼食を買って帰る、と言い残してきたので、そのまんままっすぐ帰宅しました。

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  1. […] 監督、撮影&編集:山口淳太 / 原案&脚本:上田誠 /  […]

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