更にパワフルに、伸びやかに。

 関東も梅雨に突入し、二輪車使いは身動きが取りにくくなりましたが、それでも映画は観に行く。今回は、母も前に「観たい」と口にしていた作品だったので、封切りに合わせて母を誘って出かけてきました。上映作品の数がまだ十分でないため、当初予定していなかったTOHOシネマズ上野でも恐らくは数あわせのためにラインナップに加わった、というのも理由のひとつ。同年配よりだいぶ元気とは言い条、やっぱりあんまし遠い劇場に連れて行くのは心苦しいので。
 鑑賞したのは、『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督が近代の傑作を独自の脚色で映画化、貧しくも仲睦まじい4姉妹それぞれの葛藤を、原作者自身がモデルである次女ジョーの目線で描いたストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(Sony Pictures Entertainment配給)。ジョーと言えば山田栄子、ととっさに出てくる程度には馴染みがある作品なので、グレタ・ガーウィグ監督がどう料理するのか楽しみにしてたのです。無事に公開されて良かった。
 ある意味では期待通りではありますが、きっちりと現代的な解釈で、4姉妹それぞれが当時を生きる“女性”として葛藤する姿に焦点を合わせている。時系列を相前後して描きながら、長尺の原作を巧みに圧縮して、基本的なストーリーラインは崩すことなく採り入れていて、原作に馴染みがあってもたぶん文句はない仕上がり……少々混乱はするかも知れませんが。
 ただ、如何にも『レディ・バード』の監督らしく、女性像がより具体的になったように思います。特にエイミー。むかしのアニメ版でも感情に正直な印象はありましたが、負の感情までこんなにパワフルに示すキャラではなかったはず。ある意味ではジョー以上に自由で、己の感情に正直な末娘を演じるのは、『ミッドサマー』のヒロインでも存在感を発揮したフローレンス・ピュー。主演のシアーシャ・ローナンもこの若さで既に大女優の貫禄をたたえてますが、こちらも注目株です。

 鑑賞後は、映画館から近いところに出来た一蘭の新店舗で昼食。新店舗でも味は安定しているのがさすが……ただ、店舗が1階・2階、となっているので、座席が上と下に散っているのかと思いきや、1階は券売機とお土産の売り場、それにトイレがあるだけで、客席はすべて2階にある。とっさに構造が解りにくいのはちょっと気になりました。
 食後、上野駅のアトレでちょこっと買い物をしてから帰宅。このところ朝の習慣にしていた『Fit Boxing』は、さすがに汗臭い状態で映画館に行くのは気が引けたので、仮眠を取ったあとの夕方にクリアしました。果たしていつまで続くか。

コメント

  1. […] 原題:“Little Women” / 原作:ルイーザ・メイ・オルコット / 監督&脚本:グレタ・ガーウィグ /  […]

タイトルとURLをコピーしました