川は流れてどこどこ行くの。

 土曜日は、レンタルと手持ちの映像ソフトで潰しておりました。金曜日から観始めた、感想を書くための復習に借りたディスクを終わりまで進めたあと、夕方と、日付が変わってからの2回に分けて、買ったまま積んでいたブルーレイを鑑賞。
 観ていたのはロバート・レッドフォード監督1992年の作品、英文学者ノーマン・マクリーンが自身の若くして死んだ弟の思い出を綴った名著を映画化した『リバー・ランズ・スルー・イット』(東宝東和初公開時配給)
 実はこの作品、映画道楽にハマる前に観た数少ない、そして思い入れの強い1本だったりする。とはいえしばらくぶりなので、ブラッド・ピットの瑞々しさと、フライ・フィッシングのあまりにも美しい表現ばかり鮮烈に記憶してたんですが、いま観ると凄く繊細な感情表現が豊かで、文芸作品として秀逸。ただ一度しか喧嘩したことのない兄弟の絶妙な距離感、それぞれの違いを認め相容れない部分があることも承知しているからこそのその関係性に、時代も場所も超越した普遍的な家族像が垣間見える。そしてそれをモンタナの大地、何よりも川面に翻るフライ・フィッシングの釣り糸の美しさが鮮やかに彩ってます。きちんと通して観たのは本当に今世紀に入って初めてぐらいなんですが、やっぱり名作でした。
 ただ今回観直して驚いたのは、幼い頃の語り手を演じてたのがジョセフ・ゴードン=レヴィットだったこと――成人後の作品けっこう観てますが、繋がりにぜんぜん気づきませんでした。いま観たら、顔がほぼそのまんまだったのに。まあ、出ているのはほんの10分程度だったので、記憶してなかったのも無理はないか。

 私はだいぶ前から午前十時の映画祭で『セブン』をかけてくれないかな~、と思っていて、第10回の候補作アンケートが実施された際も挙げたのですが、その次に映画館で観てみたいのが本篇でした。あのフライ・フィッシングのシーンはやっぱり大画面で鑑賞したい。
『セブン』は題材としてエグいので、或いはこっちの方が通る可能性は高いのかも知れません。来年度に復活する予定の映画祭でもリクエスト募集があるようなら、そして候補作を複数挙げられるならこれも入れたい。

コメント

  1. […] 原題:“A River Runs Through It” / 原作:ノーマン・マクリーン / 監督:ロバート・レッドフォード […]

タイトルとURLをコピーしました