あまりにも評判がいいものだから。

 午後の用事を済ませたあとで、TOHOシネマズ上野へ。徒歩でも大した距離ないよな、とは思ってましたが、ほんとに10分足らずで着いてしまった……。

 きょう鑑賞したのは、今年度アカデミー賞長編アニメーション部門候補作、突如現れた、暴君めいた赤ちゃんに対する困惑や恐怖を、子供の目線で描きだしたボス・ベイビー(吹替)』(東宝東和配給)。賞レースでは『リメンバー・ミー』の後塵を拝した作品ですが、日本での満足度調査は同時期公開作のトップになったり、けっこう評判がいい。現在フリーパスがあるので、せっかくだから観てみることにしました。

 途中から感心しっぱなしでした。これは確かに、すごーく繊細に組み立てられてる。

 この作品における、大人みたいな口を利く赤ちゃんとそれを軸とする世界観は、想像力豊かな男の子が、突然現れた“弟”という生き物を、彼なりに解釈したものなわけです。その想像のなかで描かれる出来事と、大人が実際に見た出来事とを交差させることで、早い段階からそういう趣向を観客に受け入れさせる。そうすることで、突飛な出来事がすべて子供なりの想像力を働かせた結果だ、と解るから、大人の眼には描かれることがいちいち微笑ましい。そして、こうしたロジックの上において、本篇はものすごー筋の通った組み立てをしている。楽しくて微笑ましくて、そして最後にはグッと来る。『リメンバー・ミー』以上に、年齢を問わず楽しめる作品だと思います――と言いつつ、随所に様々なフィクションのパロディを織り込んでいるので、基本的には大人がいちばん楽しめる作品なのかも。

 当初はこれもオープン直後の日比谷で鑑賞しようか、と考えてましたが、私には上野の方が立地的により利用しやすいのは確かですし、この辺の作品だと恐らく日比谷も上野も用意される上映環境に大差はない、と判断して、上野を選んだ次第……ぶっちゃけ、さすがにIMAXとかドルビーアトモスが必要なタイプの作品でもないし。

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