お試し1泊。

 というわけで仕切り直して、何をしていたのか記します。

 実は朝から新宿に来ておりました。先週金曜日からTOHOシネマズ新宿がオープンしましたが、この上層階にはホテルグレイスリー新宿というホテルが入っております。基本的に自宅まで1時間もありゃ着くようなところに済んでますから、わざわざ泊まる理由は私にはないんですが、先日何気なく調べてみたら正式オープンを前にモニター宿泊というのを受け付けているらしいことに気がついた。チェックアウト時にアンケートに記入して意見を提出する、という条件で本来の価格の1/3くらいで宿泊出来たのです*1

 どのみちTOHOシネマズ新宿オープン直後に1ヶ月フリーパスを発行して、可能なら全スクリーン制覇できるくらい通うつもりでいました。だったら、フリーパス発行に合わせてチェックインし、2日がかりでハシゴしよう、と考えたのです。Wi-Fi環境も整備されているらしいので、ノートパソコンを持ち込んで、出来るだけ作業も進めるつもりで。

 そんなわけで、朝から電車にて新宿へ。14時にならないとチェックインは出来ないので、まずはフリーパスを発行し、チェックイン前に2本立てで映画鑑賞です。

 本日1本目は、新人監督によるロマンチック・ラヴコメディ、吸血鬼の一家に生まれた女の子の恋愛を描いた恋する・ヴァンパイア』(PHANTOM FILM配給)

 ぶっちゃけ、本数を稼ぎたいから拾った作品なのでそんなに期待はしてませんでしたが、まあこんな感じかな、という仕上がり。シチュエーションがことごとく有り体で、昔ながらの少女漫画を読んでいるような感覚です。ヴァンパイアについて、ある程度は正確な描写をしているのに、それをいまいち活かしていないのが難。そして描写もあちこち足りていない。ただ、小道具や画面作りのポップな愛らしさは観ていて飽きませんし、基本的に綺麗なモノしかない映像はけっこう観ていて心地好い。悪い感情は持てないんですけど、冷静な目で眺める限りはすごーく未熟としか言いようがないの。モチーフが有り体でも、もっと細部を固めていればオススメも出来る仕上がりになりそうだったんですが。

 次の作品まで5分しかないので、とても慌ただしく移動。2本目は『殺人の追憶』のスタッフによる最新作、実際に起きた事件をもとに、海上で起きる悪夢のような出来事を描いた海にかかる霧』(TWIN配給)

 こちらはもともと気になっていた作品。そして期待通りに重量級の歯応えのある作品でした。経済危機のなか、窮するあまり密航に手を貸す漁師達。不慣れであるが故に起きた惨劇が、もともと存在していた歪みをこじ開けて、より凄惨な事態に結びついていく。序盤はゆったりとしながらもヒリヒリとした描写が続き、“事件”のあとは息をつく暇も与えない。中心人物となる若い漁師と、密航する女性とのロマンスに少々唐突な印象がありましたが、しかしあの状況なら決してあり得ないわけでもない。そこはそうじゃないほうが、と感じる部分がちょこちょこありましたが、かなりの傑作。最近は韓国映画は避けがちなんですが、キム・ギドクとこのポン・ジュノまわりは信用して観て良さそうな。

 鑑賞後、昼食を摂ってからホテルにチェックイン。ホテルの8階ロビーの脇にあのゴジラヘッドがあり、宿泊者は近くまで行ける――はずだったんですが、折りからの強風により閉鎖されて、手前のガラスまでしか迫れませんでした。明日は出られるだろうか。

 部屋に入り、ベッドでゆったりと仮眠を取ったあとで、本日3本目です。文化庁推進によるアニメーション新人育成プロジェクトによって発掘された短篇4作品を上映するアニメミライ2015』(東宝映像事業部配給)

 特に予備知識を仕入れることなく、TOHOシネマズ新宿でまず上映される、という企画だったから拾ってみたんですが、こちらはなかなかの収穫でした。4本それぞれに個性があり力が入ってます。個人的には最初に上映された『アキの奏で』がいちばんお気に入りですが、ロボットものの意外な応用『ハッピーカムカム』、ネット配信が生み出す青春のかたち『音楽少女』、台詞なしで描く抒情的SF『クミとチューリップ』いずれもなかなかです。短所はそれぞれありますが、個性がちゃんと立ってますし、絵も演出も気合いが入っていて良し。

 当初はもう1本くらい、と思ってましたが、作業に手をつける時間が見繕えていないので、ここでホテルに引き上げてパソコンに向かい合う――つもりだったのに、Wi-Fiの繋がりが悪くてクラウドとの同期がうまく行かず、ほとんど時間を無駄にしてしまいました。

 色々とあって、何とか同期までは完了して、20日深夜にはこれを書くところまで辿り着いたものの、正直なところWi-Fiについては実用に問題あり、という印象でした……他にも色々あったんですが、まあ元々モニター宿泊として、意見も提出する条件で安く泊めてもらってるんですから、その辺は直接お伝えして、あとは自分の胸に納めておきます。

*1:21日で終了。

コメント

  1. […] 原作、脚本&監督:鈴木舞(小学館文庫・刊)  […]

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