“死ぬまで弓のように生きていきたい”

 明日からは平常運営に入るので、今日はゆっくり……したいところなのですが、心残りを作らないためにも動かざるを得ないわけで。ほんとにどっかで仕切り直さないと駄目ですよこれは。

 まずは歯医者へ。取れた詰め物を新たに作り直すだけでは危険とのことで、被せものに変更するわけですが、今日は前回一時的につけたセメントを取り除いて型を作り、金属のものが完成するまでの仮の被せものをつけてもらう。何だかんだで小一時間ほどかかりました。昔は毎週のように治療をしていたので慣れっこになっていましたが、さすがに十数年振りとなるとやや緊張します。あの機具が歯を削る音も、自分の口の中から聴こえてくるとけっこう厭。

 いちど家に戻ると、とりあえず気になっていた、『週刊24』の第1号同梱のDVDをやっと最後まで観る。切れ切れに観るとなかなか乗れませんが、いや確かにこれはリアルタイムで観ていたらけっこう興奮するだろう、というのは解る。でも時間が取れないんだから仕方ないやんかー! 最近はパソコンが空いていると録画データの退避にドライブとリソースを使ってしまうので、DVDは再生しづらいのです。

 一眠りしていると、土曜日に訪れた修理屋から連絡が入る。見積もりの結果、予想していたよりだいぶ安くあがりそうとのこと。そのまま部品を注文に出してもらって、入荷次第作業をお願いすることに。長いこと、気を遣いながら走っていましたが、これでちょっと楽になるぞー……その前に、行く先々での駐輪場所を見つけておかねばならんのですが。

 もう寝る気がしないのでそのまま少しだけ時間を潰して、16時ちょっと前に家を出て渋谷へ。今日、何か一本観るのは前々から考えていたことなのですが、そのためにタイムテーブルを調べていたら、前々から観ておきたかった作品が今週いっぱいで終わってしまうのを知り、まだ週末までは若干余裕があるとは言え、あまりに駆け込みになりすぎると落ち着かないので、ほかに用意していた候補をあとまわしにしてこちらを選んだ次第。

 訪れたのは、意外にもこれが初訪問となるBunkamura LE CINEMA。Bunkamuraの6階にあるのですが、どこから入っていいのかが解らずしばし戸惑う。内装は落ち着いていて、座席も座り心地はいいのですが、恵比寿ガーデンシネマやシネマスクエアとうきゅうと同じ、場内での飲食禁止なので、鑑賞のお供に飲み物を用意するのが常の私にはちと落ち着かない。

 鑑賞したのは、既に韓国映画という枠を超えて活躍しているキム・ギドク監督の最新作、漁船でふたり暮らす老人と少女の奇妙な愛と絆とを描く』(東京テアトルHappinet Pictures・配給)。『サマリア』、『うつせみ』と立て続けに鑑賞してすっかりノックアウトされたので、以後はすべて劇場でチェックするつもりでいたのですが……改めてとんでもねー監督だと実感。舞台を海上に浮かぶ船に限定し、そこだけで愛憎劇を繰り広げる老人と少女を描く語り口の美しさとエキセントリックさ。そうしてラストシーンの、生々しさが一気に幻想へと傾斜していく迫力。暴力性と絵画的な映像の美しさは一貫しながら、物語としてのダイナミズムも留めている。旧作に惚れ込んだような人なら今度も堪能できますが、相変わらず人を選ぶ作風だと思います。詳しい感想は後日、このへんに。ちなみにここの見出しは、映画のラストにちょっとした解説として付されるテロップより引用してます。

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