まだ万全ではない。

 もうほとんど風邪の症状は治まった――と思ってたんですが、まだ微妙に波がある。この状態で二度も4本立てを強行した疲れが出たのか、きのう、今日といまいち気力が湧きませんでした。

 その先週観た8本の感想はさっさと上げて、今年公開された作品については基本、観た直後にアップ出来るようにしていきたいんですが、果たして追いつけるやら。

レンタルDVD鑑賞日記その641。

 昨年3月リリースの『ベスト・オブ・心霊~パンデミック~ Vol.3”』を鑑賞。視線を警戒するあまり小型カメラで常に撮影しながら自転車に乗っていた女性が遭遇した異変“つけられたのか”、死体洗いのバイトを始めたのち怪死を遂げた男性の最期の記録“ほるまりる”、デパート屋上の望遠鏡を覗いたときから始まる奇妙な出来事の連鎖“それは ぬすまれる”ほか全9篇を収録。

 調べたらVol.2は借りてないっぽいんですが、まあ別に順番に観なきゃいけないような内容でもないので気にしない。

 初期はともかく、徳丸というADが変な行動をするようになったあたりからドキュメンタリー部分の不自然さが目立ってレベルダウンしている感のあるシリーズです。翻って、スタッフが露出していないエピソードはそれなりに観られるものもあるわけで、ですからさすがにベスト・セレクションとなるとまあまあ楽しめる。

 ……まあ、あまりにも好都合にカメラがセットされてたり、怪奇現象そのものがカメラを意識してる観たいな映像が少なくなく、やっぱり作りとしては不自然なのですが、恐怖をテーマにしたシチュエーション・ドラマと思えば悪くはない。むしろそのつもりならレギュラーでもこのくらいの水準は保ってほしいもんだ。

なにもしない最終日。

 TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスが使える、私にとっては最後の1日でした――が、けっきょく使わず、出かけることもなく終了。

 可能ならばもう1本、と思いつつ、前日から作品を探っていたのですが、目をつけていた作品はどんどん席が埋まっていく。経験上、前夜の段階で1/3埋まってしまうと、無料の枠はだいぶ危ない、というのが解っているので、早々に「出かけるだけ無駄だな~」という気分になってしまった。

 それなら普通に別の映画館で、チケットを買って鑑賞する、というのも選択肢ではあったんですが、前夜までTOHOシネマズで観る気満々だったせいで、そんな切替はすぐには出来ない。

 ……というわけで、出かけるタイミングまで逸してしまい、日中は自宅で漫然と過ごすのでした。例によってレコーダーの中身を整理したり、風邪の症状が出て以来やめていた縄跳びに久々に挑んでみたり、久々に“何もない日のすごし方”を実践してました。

ひむろ有楽町店初訪問。

ひむろ有楽町店の札幌味噌ラーメン。 きのう。今年2度目の4本立ての際、食事がてら初めてお邪魔したのは、ガードと晴海通りの中間あたりにあるひむろ有楽町店。ここはTOHOシネマズシャンテやTOHOシネマズ日比谷に向かうときの通り道なので、前々から気になってたんですが、今回はタイトなハシゴのスケジュールのなか、映画館からの近さにも後押しされて、遂に暖簾をくぐることにしました。暖簾はなかったけど。

 料理は札幌味噌ラーメン、旭川醤油ラーメン、函館塩ラーメンと北海道の地名を冠している。つけ麺やオロチョンラーメンなど多彩なメニューがありましたが、ほとんど迷わず札幌味噌ラーメンに決定。ふだんならつけ麺を選ぶんですが、病み上がりには分量が多すぎる可能性がありますし、何より一般的に茹で時間を余分に必要とするので、時間に限りのある今回は選べない。

 ここも評判はいいので心配はしてませんでしたが、実に私好みの味噌ラーメンでした。具はチャーシューにもやし、挽肉にワカメと、味噌ラーメンではワカメが珍しいくらいでオーソドックス。麺もやや太めの縮れ麺で、これがコクがありつつも優しいスープと絶妙なバランスで絡みます。熱々の状態での提供なので、まだダメージの残る喉を湯気が刺激する一口めがちとキツかったくらいで、食欲が恢復したばかりで万全とは言いがたい私でも苦もなく食べられる。私の好みだとちょっとチャーシューがパサついているのが気になりましたが、このスープの優しさだと、変に溶けきらず肉の風味を留めているこのくらいがちょうどいいかも。

 身体の都合でスープはどーしても呑みきることの出来ない私ですが、それが残念に思えるほど最後まできっちりと堪能。ちゃんとネットで調べた上で足を運んでいるので、そもそもハズレを引く危険は低いんですが、今回もアタリと言っていいと思う。

 まだ営業を始めてあんまり経ってない時間帯だったせいか、私が訪ねた時点ではかなり余裕がありましたが、食事をしているあいだにどんどん客が入ってくる。お店が映画館から非常に近いので、今後も利用したいんですが、この感じだとタイミングが重要かも。ビジネスマンの昼食時と被ったら避けた方がいいのかも知れない。

 ちなみにこのお店、まわりに飲み屋が多いこともあってか、夜は居酒屋のようなスタイルになるようで、おつまみのメニューも豊富にあります……が、もっとも私は外でひとり呑む趣味がないので、たぶんこっちで利用することはないでしょう。

趣味全開の4本立て(今週2回目)。

 最後のフリーパスは残り3日。観たい作品はまだまだ残っている。もちろんぜんぶ回収するのは無理でも、出来る限り有効活用したい。

 というわけで、今週2度目の4本立てに挑んできました……自分でも馬鹿か、と思いますよ、ええ。でも観たい映画がいっぱいあって、奇跡的にいいスケジュールが組めてしまったんだから仕方ない。

 本日の行き先は日比谷です。例によって4種類くらいリストを組んであったのですが、今回も幸いに第1候補のリストどおりにチケットが確保出来ました――結果、一部移動がけっこうタイトになってしまいましたが、そこは覚悟の上。

 まずはTOHOシネマズ日比谷にて鑑賞した1本目は、ジャッキー・チェン主演最新作、『聊斎志異』の著者にして妖怪ハンター・蒲松齢の活躍を描くファンタジー・アクションナイト・オブ・シャドー 魔法拳(字幕)』(HARK配給)。最近のジャッキー映画の例に漏れず、吹替版も上映されてますが、やっぱし私はジャッキー自身の肉声を優先したかったので、この字幕版を中心に予定を組んでました。

 ……中国の大作ファンタジーって大味なイメージが強いんですが、正直その典型でした。ロマンスにユーモア、可愛らしい妖怪を出したうえにミュージカル・シークエンスまであっててんこ盛りですが、まとまりはあまり良くない。キャラクターの言動にいまいち芯が見えないのも問題で、せっかくジャッキーが貫禄で醸しだすオーラや、きちんと盛り込まれたアクション・シーンもあんまり有効に働いてない。よっぽどのジャッキー・ファンでないと楽しめないかも。

 1本目を観たあとはいちど劇場を離脱、TOHOシネマズシャンテで3本目に観る作品のチケットを確保。こちらも問題なく押さえられたので、安心して昼食へ。銀座・日比谷界隈を訪れたときに利用するお店は微妙に距離があったり、提供に時間がかかる可能性があったので、映画館から近いところにあるラーメン店で食べました。いままで立ち寄ったことのない店なんですが、まだ11時台で客は少なく、つけ麺ではなく普通のラーメンを注文すれば早く出して貰えるはず、と信じて選んだのが正解でした。味も私好みで、急いでいた割にはしっかり堪能してしまった。

 ふたたびTOHOシネマズ日比谷に赴いて鑑賞した本日2本目は、敬愛するクリント・イーストウッド監督最新作、1996年アトランタで発生した爆破事件で、爆弾を見つけて人命救助に貢献しながらも第一容疑者として世間から激しいバッシングを浴びた男性の戦いを映画化したリチャード・ジュエル』(Warner Bros.配給)

 展開も作り方も『ハドソン川の奇跡』を想起させますが、あれよりも更に過酷な現実を描きだしている。本人の意志とは関わりなく祭りあげられた事実が気づけば“英雄願望”として叩かれ、マスメディアから容赦のない眼差しが注がれる。もともと法執行官になる夢があったジュエルが、信じていた警察官やFBIに追いつめられていく姿が痛々しい一方で、ときどき粗野な振る舞いを見せつつも飄々と、しかしクレバーにジュエルを守る弁護士が凜々しい。この弁護士、一昨日も2本目に観た『ジョジョ・ラビット』で好演していたサム・ロックウェルです。昔から好きな俳優だったのでこの活躍も嬉しい。決めつけの暴力に、ひたすら誠実さで戦い続けた結末はなかなか爽快です。

 あまりに余韻がよかったので、エンドロール途中で断つことも出来ず、場内が明るくなってから早足で劇場を離脱、急いでTOHOシネマズシャンテへ移動。用も足したかったため、けっきょく予告篇はほとんど見逃しましたが、本篇には間に合いました。

 というわけでTOHOシネマズシャンでにて鑑賞した本日3本目は、“シリアル・キラー”の語源にもなった伝説の連続殺人犯を、その恋人だった女性の目線で描きだしたテッド・バンディ』(PHANTOM FILM配給)。かつて『マーダーケース・ブック』も定期購読してた私としては観逃すわけにはいかなかった1本です。

 これはなかなか面白い切り口でした。なにせ犯罪史上に残る人物ですから、殺害シーンを緻密に描きがちなところを、その周辺をすっぱり省き、恋人だった女性の目線と、裁判記録などで判明している言動だけで構成したことで、本当にこの男が犯人なのか解らない状態に置いている。それゆえに、表面の言動から見えるテッド・バンディという男の魅力と怖さがうまく表現されてます。エンドロールでは実際に公開された裁判の記録映像が引用されてますが、劇中でインパクトのある場面や台詞がほとんど現実通りだったことにも驚かされます。壮絶な現実をひとひねりした切り口でサスペンスとして昇華した好篇。ザック・エフロンの演技が見事でした。

 ふたたびTOHOシネマズ日比谷に戻って鑑賞した本日のラストは、『LOGAN』のジェームズ・マンゴールド監督、マット・デイモン×クリスチャン・ベール主演、倒産寸前だったフォードが起死回生を賭けて当時ル・マンで最強だったフェラーリに挑んだ実話を映画化したフォードvsフェラーリ(字幕・IMAX)』(Walt Disney Japan配給)。……しかし、20世紀フォックスのロゴが出てる作品を“ディズニー配給”って書くの、違和感があるなー……。

 2時間半を費やしてじっくりと、しかしパワフルに描かれた人間ドラマです。完全に企業のエゴで始まったル・マンへの挑戦ながら、レースに命を賭ける男たちと経営者の論理が噛み合わず、レース以外のところでも戦いが繰り返される。そんな中で、しばしばいがみ合いながらも“限界まで早く”という目標に向けてマシンを生み出す主人公ふたりのやり取りが、熱くもユーモラスで微笑ましくさえある。そして、様々なトラブルを乗り越えたうえで展開するレース・シーンの圧倒的な昂揚感ときたら。このシーンを堪能したい一心でIMAX版を選んだのですが、正解でした。

 ……というわけで、今週2度目となる4本立ての挑戦も見事に完遂しました。これで最後のフリーパスにて鑑賞した本数も10本。あと2日残ってはいますが、まんいち利用できなかったとしても、ひとまず満足です……でもまあ、たぶんあと1本は観ますが。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』

TOHOシネマズ日本橋、スクリーン3入口脇に掲示された劇中ウィジュアル。(※『午前十時の映画祭10-FINAL』当時) ダンス・ウィズ・ウルブズ [Blu-ray]

原題:“Dances with Wolves” / 原作&脚色:マイケル・ブレイク / 監督:ケヴィン・コスナー / 製作:ケヴィン・コスナージム・ウィルソン / 製作総指揮:ジェイク・エバーツ / 撮影監督:ディーン・セムラー / プロダクション・デザイナー:ジェフリー・ビークロフト / 編集:ウィリアム・ホイ、チップ・マサミツ、スティーブン・ポッター、ニール・トラヴィス / 音楽:ジョン・バリー / 出演:ケヴィン・コスナーメアリー・マクドネルグレアム・グリーン、ロドニー・A・グラント、フロイド・“レッド・クロウ”・ウェスターマン、タントー・カーディナル、ロバート・パストレリ、チャールズ・ロケット、モーリー・チェイキン、ジミー・ハーマン / 配給:東宝東和 / 最新映像ソフト発売元:GAGA

1990年アメリカ作品 / 上映時間:3時間1分 / 日本語字幕:戸田奈津子

1991年5月18日日本公開

午前十時の映画祭10-FINAL(2019/04/05~2020/03/26開催)上映作品

2020年1月17日映像ソフト日本最新盤発売 [DVD Video:amazonBlu-ray Discamazon]

劇場にて初見(初公開当時、日付の記録なし)

TOHOシネマズ日本橋にて再鑑賞(2020/01/18)


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狂気の4本立て。

 先週末ぐらいに、体調回復の見込みが立ってきた辺りで、既に計画は練ってました。状態によっては断念やむなし、とも考えてましたが、どうやら普通の食事が出来るくらいには恢復して体力は戻ってきた、心配していた陽気も安定している。それでも、不安があればすぐに切り上げてくる、と決めて、バイクにてお出かけ。

 訪れたのはTOHOシネマズ西新井。まずはチケットの確保です。何度か触れているとおり、無料で鑑賞出来る枠が1回の上映ごとに定められているので、到着した時点で目当ての作品が取れない危険も考慮し、スケジュールは4種類ほど考えてありました。しかし、幸いにすべて第1候補が押さえられました。

 本日1本目は、近年のディズニー・アニメ最大のヒット作の続篇、エルサにだけ魔法の力が宿った理由を知るため姉妹が冒険に赴くアナと雪の女王2(吹替・2D)』(Walt Disney Japan配給)。……実は個人的に、1作目は評価しつつも思い入れがあんましなかったのです。とはいえここまでヒットしてしまうと観ておかない訳にもいかないので、遅ればせながら押さえてきた。

 1作目で漏れていたポイントをうまく押さえて続篇を組み立ててます……が、やっぱり第1作は超えてない、というのが正直なところ。なにせ前作は『Let It Go』というキラーチューンがあったので、あれだけで押し通した感すらあり、今回はそれに比肩する楽曲とミュージカル・シーンを作り出そうと努力していることは窺えるけれど、どうしても一歩及ばず。とはいえ、前作の魅力は踏襲しているので、前作を単品として評価する、というより、その世界観やキャラクターに惹かれたひとなら満足出来るはず。

 鑑賞後はいったん劇場を離脱、行きつけの蕎麦屋までバイクで移動し昼食。混んでたり、注文が出るのが遅いとちょっとマズい空き時間しかなかったんですが、幸いにすべてスムーズに運んだため、理想的な時間に劇場に戻ることが出来ました。

 2本目は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督作品、第二次大戦末期、ナチスに憧れているけれど臆病な少年が、思わぬ出逢いから体験するドラマを描き、アカデミー賞候補にも列せられたジョジョ・ラビット』(Walt Disney Japan配給)

 これは素晴らしかった。子供の目線で、決して陰鬱に陥ることなく描き出された異色の戦争ドラマ。冷静に眺めると苦難の連続なんですが、子供ならではの純粋な眼差しと思考、そして何より、彼自身が気づかない周囲のひとびとの優しさが、ほとんどの映画で惨たらしく描かれる時代に新しい光を注いでいる。この上なく気の利いたラストシーンもいいんですが、やっぱり出色は主人公渾身の鉄拳制裁と、サム・ロックウェル演じるキャプテンKのあまりにも粋な去り際です。

 映画館の入っているアリオ西新井をしばしばウロウロし、軽く買い物をしたあとに観た3本目は、『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督最新作にしてカンヌ映画祭パルム・ドール受賞作、全員失業中の貧しい一家が、あるセレブ一家の生活に次第に入り込んでいくさまをコミカルに、そしてサスペンスフルに描くパラサイト 半地下の家族』(Bitters End配給)

 こちらも評判に違わぬ凄まじさ。金持ちの鷹揚さ、寛容さにつけこんで、彼らの懐に入り込んでいく家族のしたたかさ。ずーっと話がどう転がるか解らないまま引きずり回され、やがて一種のカオスとなり、名状しがたい余韻を残す終幕へと辿り着く。こんなことが起きるのではないか、という予感も随所で漂わせつつ、それをひたすらに上回ってくるゾクゾクがつきまとう強烈なストーリーテリング。この作品の興味深いところは、やがて劇的な行動に及ぶひとびとのトリガーも、それを許す一線の設定にも意外性がある、という点だと思う。人間の感情を動かすのは、決して単純な打算ではない、と囁いているとも取れる。娯楽性に秀でながら一筋縄でいかない傑作。そりゃあ、海外でも高く評価されて当然だと思う。

 このあたりで疲れが強かったら帰るのも仕方ない、と思ってましたが、思いのほか余裕があったので、そのまんま4本目へとなだれ込みました。本日ラストの1本は、福本伸行の人気漫画の映画化にして怪優・藤原竜也の代表作久々の第3作、オリンピック後に訪れた大恐慌に対する政府の強硬策を止めるため、伊藤カイジが最後の大勝負に挑むカイジ ファイナルゲーム』(東宝配給)

 正直なところ、振り切れてる藤原竜也が観たかった、というのが第一なので、その意味では不満はない――とはいえ、物語の大半を割いて描かれる吉田鋼太郎との対決で用いられるゲームの作りがあまりに安直で、観ていていまいち乗れないのは残念。あまりにもドラマを乗せやすいし、その一方でラストの逆転がちょっと乱暴すぎる。そのあと、真の最終対決ではこのシリーズらしい推理と、知力を尽くした逆転劇が味わえるので、少し取り戻した感はありますが、やっぱり限定ジャンケンあたりの凄味には及ばない。つくづく藤原竜也を堪能するための映画だと思います。

 ――というわけで、当初の目論見通りの4本立てを達成し、帰宅の途へ。基本座って観てるだけですが、やっぱしそれなりに疲れました……。